聞き上手の「エモいオヤジ」が若者にモテる理由 「共感」で「学び」を掘り起こす「サードドア」

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「エモさ」と「学び」がうまく両立できている本は、何がいいのでしょうか?(撮影:尾形文繁)
12万部突破のベストセラーとなった、アレックス・バナヤン著『サードドア:精神的資産のふやし方』。
「アレックスの行動には、僕のまわりの成功者の姿が思い浮かびます」と語るのは、ヤフーMS統括本部マーケティング本部長の井上大輔氏。これまでにニュージーランド航空、ユニリーバ、アウディジャパンなどでデジタル領域のマーケティングを牽引してきた井上氏は『サードドア』から何を読み解いたのか。2回にわけてお送りする。

エモさ+学びがある本

『サードドア』は、今風の言葉で言う「エモさ」の中に、「学び」があるところが素晴らしいですね。

話題のベストセラー『サードドア:精神的資産のふやし方』の特設サイトはこちら(画像をクリックするとジャンプします)

主人公のアレックスがおばあちゃんと交わした会話や、アレックス自身の人生のストーリーなどに心が動かされて、泣けるストーリーとしても楽しめますし、その物語の中には、自分の生き方や働き方についてのヒントがたくさん散りばめられてもいます。

僕はビジネス書には情報を吸収する、コンテンツを楽しむ、ひらめきを得る、活字を楽しむという4つの効用があると思っていますが、『サードドア』は、両立しにくい「有益な情報」と「楽しめるコンテンツ」がバランスよく同居してます。

これはとても稀有なことですし、多くの人に読まれている一番の理由でもあると思いました。

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