栄養学博士が教える自分の免疫を高める食事法 ウイルスに負けない体づくりの秘訣とは何か

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具体的には、既に腸内にいる乳酸菌やビフィズス菌を増やすために必要な難消化性オリゴ糖や食物繊維をしっかりとること(プレバイオティクス)、もうひとつは、乳酸菌やビフィズス菌そのものを摂取すること(プロバイオティクス)です。

プレバイオティクスとプロバイオティクスの両方をあわせて摂取することをシンバイオティクスといい腸内環境を良好に保つために大切な方法です。

プロバイオティクスはWHOにおいて「適切な量を摂取することで宿主に健康上の利益を与える生きた微生物」として定義されており、乳酸菌やビフィズス菌は代表的なプロバイオティクスです。乳酸菌やビフィズス菌には、腸内環境の改善、免疫の向上のほかにも、便通の改善、感染防御、発がんリスクの低減、アレルギーの低減、血圧降下などさまざまな効果が期待されています。

乳酸菌は、菌の外(菌体外)に多糖を産生します。この菌体外多糖のことをEPSといい、ヨーグルトが柔らかく固まって分離を防いだり、種類によっては独特の粘りやなめらかな食感を作り出します。こうした働きをするEPSには、さまざまな効果があることがわかってきています。

ひとつは、腸内でビフィズス菌などの栄養源となるプレバイオティクス効果、もうひとつは、免疫賦活(活性化)効果でさまざまな研究が進められています。

乳酸菌には多くの種類があり、通称R-1という名称で呼ばれている乳酸菌は、EPSを多く産生する菌株で免疫賦活効果があるもののひとつです。

腸内フローラの構成は1人ひとり異なりますから、自分の体に合うと感じるヨーグルトを習慣的に摂取することと、オリゴ糖や食物繊維などのプレバイオティクス効果が期待できる食品をとることで、ウイルスに負けない体づくりを目指すことも可能と言えるでしょう。

緑茶の効果にはどのようなものがあるのか

続いて緑茶です。緑茶には、抗ウイルス成分である茶カテキンが含まれています。

10年ほど前のデータになりますが静岡県で2008年から2009年にかけて小学生を対象に行われた調査では、1日当たりの緑茶摂取量が1杯(200ml)~5杯だった生徒は1杯未満の緑茶摂取量だった生徒に比べて、インフルエンザに感染する確率が低いことが報告されています(参考文献1)。

緑茶に含まれる茶カテキンには、いくつか種類がありますが、その一部はウイルスの活性を阻害することで増殖を抑制するという研究も発表されています(参考文献2)。

つまり、緑茶を摂取することで体内に入ったウイルスの増殖を防ぐ効果がある可能性が報告されているわけです。1日1杯以上、緑茶を食事や休憩時などに取り入れることもよいでしょう。

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