前田道路社長が激白「建設よ、もう1度考え直せ」

巨額配当とNIPPOとの提携に踏み出した真意

――道路舗装業界はここ数年、談合を繰り返したとして公正取引委員会から何度も処分を受けています。独占禁止法上の問題はないのですか。

地域要件や県単位、地域単位で(提携をして独禁法上の問題がないか)どうかはこれから相談していく。専門弁護士に相談したところ、折り合いがつきそうと意見をもらった。公正取引委員会とはこれから話を始めていく。

――前田建設がTOBを行っています。今回のNIPPOとの提携は、前田建設への対抗策なのですか。

前田建設のTOBと、NIPPOとの提携は切り離して考えて欲しい。経営陣は、前田建設が51%所有する子会社になった場合と、NIPPOと提携した場合のシナジーをそれぞれ検証し、NIPPOと提携した場合のシナジーが絶大だと判断した。この決定は社外取締役や前田建設出身の取締役を含めた全員の賛成を得た(注、前田道路がTOBに反対を決議した際、前田建設出身の取締役は参加していない)。

「NIPPOとの提携は両者の企業価値を確実に上げる」と語る前田道路の今枝良三社長(撮影:大澤誠)

前田建設の言うインフラ運営事業のシナジーは具体的な案件が見えない。同社はいろんな提案書を持ってきたが、数字も具体的な内容もない。グループで内部留保を使いたいの一点張りで、「お願いします。お願いします」という。それでは社員にも株主にも説明できない。

一方でNIPPOとの提携は、製造部門のコスト削減や技術者の人事交流など、具体的なシナジーが見える。両社の提携は確実に両社の企業価値を上げることが見込める。

部門統合など、さまざまな選択肢を議論していく

――建設業の世界では施工管理が中心のため、合併してもシナジーが生まれにくいという定説があります。一方で、アスファルト合材という製造部門であれば切り出して統合することも考えられるのではないですか。

工事(の請負)については影響があるかもしれないが、製造部門ではシナジーが出しやすい。テーブルの上には部門統合のようなさまざまな選択肢が乗っている。そこはこれから議論していきたい。

――なぜ出資比率は5%がメドなのですか。

普通の会社であれば、こうした会見では「対等合併だ」「合併比率はどれくらいになったか」を説明できる。だが、この業界は(談合を繰り返してきたため)色眼鏡で見られている。両社がこそこそと会っていると、カルテルや談合していると疑われてしまう。

資本業務提携の話をしますと旗を振った方がやりやすい。買収防衛策などとの関連もあり、ひとつの目安としてこの水準を提示した。

次ページ1~2年以内に提携内容の答えを出す
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