前田道路社長が激白「建設よ、もう1度考え直せ」 巨額配当とNIPPOとの提携に踏み出した真意
TOBと重なったのは偶然だ
――なぜ、このタイミングでNIPPOと資本提携の検討を開始したのですか。
道路舗装に使うアスファルト合材の製造量はピークだった1990年代から半減した。一方で生産設備は8割ぐらいにしか減っていない。合理化や更新投資の負担を考えると、5~6年前から、ある程度の業界再編・合従連衡が必要だと考えていた。
ここ数年、舗装業界には独占禁止法違反の問題があった。業界の首位と2位が協議するのは問題があるかなと思うが、世間の流れも再編が主流になってきた。
そういうタイミングでNIPPOの方から2019年12月に将来を見据えた検討の提案があり、いったん話が途絶えたあと、2020年1月にそれをやりましょうとなった。TOBと重なったのは偶然だ。
――日本国内の業界再編において、業界首位と2位が提携するのは珍しいです。
売り上げではNIPPOの方が大きいが、単体の舗装土木の完成工事高や合材製造販売事業の規模ではほぼ拮抗している。当社は民間の小型工事に強いが、NIPPOは官公庁や空港、大型工事に強い。
アスファルト合材の工場の数も100カ所ずつで近い水準だ。2社が1つになれば、できるコスト削減がいっぱいある。ちょうど良い、対等な立場だ。
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