前田道路社長が激白「建設よ、もう1度考え直せ」

巨額配当とNIPPOとの提携に踏み出した真意

前田建設工業からTOBを追い込まれている前田道路は、NIPPOとの資本提携の検討を決めた(記者撮影)
「前田建設工業は1歩踏みとどまって、よく考え直して欲しい」――。前田道路の今枝良三社長はそう繰り返した。
2月27日、道路舗装最大手のNIPPOと、同2位の前田道路は資本業務提携の検討を開始すると発表した。時期は未定ながら5%程度の株式を持ち合い、道路舗装に使うアスファルト合材の製造販売部門の協業や技術者の人事交流などを検討するという。
NIPPOは石油元売り最大手、JXTGホールディングスの上場子会社。一方の前田道路は追いこまれている。筆頭株主である前田建設が1月21日から3月4日(その後、3月12日に延長)まで、1株3950円、2181万株を上限にTOB(株式公開買い付け)を行い、出資比率を51%(現状は24%)に引き上げる計画を進めているからだ。
前田道路はこうした動きに「シナジーがない」と反発。前田建設に対し、資本提携の解消を申し入れ、1月24日にはTOBへの反対を表明。2月20日には、1株650円の特別配当を行って純資産を圧縮し、前田建設によるTOBの撤回を迫る「奇策」に打って出た。
いったい前田道路は何を狙っているのか。今枝社長にその真意を尋ねた。

TOBと重なったのは偶然だ

――なぜ、このタイミングでNIPPOと資本提携の検討を開始したのですか。

道路舗装に使うアスファルト合材の製造量はピークだった1990年代から半減した。一方で生産設備は8割ぐらいにしか減っていない。合理化や更新投資の負担を考えると、5~6年前から、ある程度の業界再編・合従連衡が必要だと考えていた。

ここ数年、舗装業界には独占禁止法違反の問題があった。業界の首位と2位が協議するのは問題があるかなと思うが、世間の流れも再編が主流になってきた。

そういうタイミングでNIPPOの方から2019年12月に将来を見据えた検討の提案があり、いったん話が途絶えたあと、2020年1月にそれをやりましょうとなった。TOBと重なったのは偶然だ。

――日本国内の業界再編において、業界首位と2位が提携するのは珍しいです。

売り上げではNIPPOの方が大きいが、単体の舗装土木の完成工事高や合材製造販売事業の規模ではほぼ拮抗している。当社は民間の小型工事に強いが、NIPPOは官公庁や空港、大型工事に強い。

アスファルト合材の工場の数も100カ所ずつで近い水準だ。2社が1つになれば、できるコスト削減がいっぱいある。ちょうど良い、対等な立場だ。

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