それを知るため、「入社難易度」という指標を作った。これは、大学通信が各大学にアンケート調査を行っている「有名企業419社への就職者数」の結果に、駿台予備学校が実施している模試難易度をあわせて算出している。419社は日経平均株価指数の採用銘柄や会社規模、知名度、大学生の人気企業ランキングなどを参考に選定している。
算出方法は次の通りだ。まず、各大学・学部(医学部と歯学部を除く)の難易度を平均した値で各大学の難易度を算出する。仮にA社の就職者が東京大6人、上智大4人、早稲田大5人だったとする。東京大の学部平均難易度は69.4で、全大学でもっとも高い値だ。上智大は62.7、早稲田大は64.8になる。
A社の平均入社難易度は、(東京大69.4×6人+上智大62.7×4人+早稲田大64.8×5人)÷(東京大6人+上智大4人+早稲田大5人)=66.08になる。表記上は、小数第2位を四捨五入し、66.1が入社難易度だ。
なお、ランキングは就職判明者が10人以上の企業に限っている。また、慶應義塾大は3人以上の就職先しか公表していないため集計対象からは除外している。同率で順位が異なるのは小数点第2位以下の差による。
その結果、トップは三菱地所で、入社難易度は65.2となった。昨年の3位からトップに躍り出た。大学別就職者数を見ると、トップは慶應義塾大の8人、次いで東京大、京都大、早稲田大が各5人、一橋大4人の順だ。65.2というと、京都大の66.2と国際基督教大の65.0の間になり、かなり高い。
1位三菱地所、2位三菱商事、3位東急不動産
2位は昨年トップだった三菱商事の64.1、3位が東急不動産の63.7で、昨年の29位からの躍進だ。4位が日本経済新聞社の63.7、5位は伊藤忠商事の63.5となった。不動産会社と総合商社が強い。5大商社の内、4社がトップ10に入り、丸紅は15位だった。5大商社を受ける難関大の学生は全社受けている可能性が高く、どこかに就職できていると見られるため、入社難易度も揃っているようだ。
一方、躍進した東急不動産について、清水社長はこう分析する。
「デベロッパーは総合商社の就活の構図に似ていて、志望する学生は三菱、三井、住友、東急、野村などはみんな受ける。その中で東急不動産は電鉄系で、インフラ系企業を受けながら駅中心の街作りも考える学生など、幅広い希望者が受けていると見られる。しかも若者に人気の渋谷の再開発を行っていることや、採用が少なく、転勤がなさそうなことも人気で、難関大からの就職者が多くなったと思われる」
マスコミも人気の高い業種で、入社難易度の高い傾向にある。新聞社では日本経済新聞社が4位で昨年と変わらず新聞社トップ。次が39位の読売新聞社、84位の朝日新聞社の順だ。出版では講談社が7位、KADOKAWAが18位だ。テレビ局ではTBSテレビが10位、テレビ朝日が12位、日本テレビ放送網が14位だった。
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