一方、学生の人気に陰りがみられる銀行の入社難易度はそれほど高くない。ただ、昨年よりは入社難易度が上がっている。トップの三菱UFJ信託銀行が60.6で昨年の114位から54位、三井住友銀行が60.1で昨年の121位から67位、商工組合中央金庫が59.9で、昨年の182位から76位に躍進している。採用数を減らしたことで、優秀な学生の入社割合が高くなったためと見られる。
業種ではマスコミの難易度が高い
総じて入社難易度が高くならないのがメーカーだ。採用人数が多く、いろいろな大学から幅広く採用していることも影響している。
清水社長は注目企業としてニトリを挙げる。この3年で282位→223位→102位とアップしている。清水社長は「500人前後採用している中、順位が上がってきている。難関大からの採用も増えていると思われる。入社すると、すぐにアメリカ研修があるのも魅力。製造・小売業だが、創業者の似鳥昭雄氏を慕う学生も多く人気企業になっている」と言う。
採用している大学を見ると、早稲田大40人、立命館大36人、北海道大30人、中央大と関西大27人など。東京大11人、京都大10人おり、旧7帝大から合計で130人採用している。旧7帝大を130人以上採用しているのは、他にトヨタ自動車、日立製作所など日本を代表するメーカー7社だけだ。
次に業種別の入社難易度を見てみよう。企業別の表に出てくる企業の中でも、業種としては出てこないところもある。対象を4社以上の業種に限っているためだ。
トップは昨年2位の放送だ。2位が新聞、3位が広告で、4位が商社、5位が出版となっている。マスコミが上位を占めているのは、採用が少ないうえに、筆記試験が課されることが大きい。企業の中には採用が特定の大学に偏ることを避けるが、マスコミにはそれがないことも難関大からの採用者が多いことにつながっているようだ。
409社の平均難易度は56.7と高く、これ以上の大学は47校しかない。みんなが入りたいと思う企業は、まだまだ難関大からの採用が多いということにほかならない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら