母親が子育て中「睡眠」を最優先するための方法 「世界最低レベルで睡眠不足」の日本人女性

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ただ、本の中には「家事」の話がほとんど出てこないんですよね。ランディさんの夫がしているのか、外注が当たり前な世界なのか。いずれにせよ、日本の親にとって「家事」の比重が大きすぎると思います。お総菜を買う、家事代行を依頼するなど、効率化していけば、本当の意味での「家族」を選ぶ割合が増える気がします。もっと適当でいいんでしょうね。

――『ピック・スリー』では「5つのカテゴリーから毎日違う3つを選ぶ」を推奨していますが、例えばカテゴリーに「家事」を追加したうえで、あえてそれを選ばないというカスタマイズをしてもいいかもしれないですね。自然と家事の比重が下がり、「家事」が不完全なことにも慣れていけそうです。

結局、「家事」ができていない状態に対して、自分が気持ち悪いんですよね。「散らかっているのが嫌だな」「買うより作ったほうが安くて美味しいのに」と思ってしまう。

そこはまだ私も越えられていないですが、「ほかのカテゴリーと比べて、本当に『家事』は優先しなければいけないのか」というのは、いま1度考えたほうがいいかもしれません。私は「運動」と「友人」をもっと選んだほうがいいんだろうとも思います(笑)。

日本の親が堂々と「睡眠」を選べる環境になれば

――3つを選ぶということは、優先順位を見直すことでもありますね。家事の比率が減って、日本の親が堂々と「睡眠」を選べるようになったらステキです。

本当にそう思います。私はこういう仕事をしているので堂々と「寝ないとダメなんです」と言えますけど、公言しにくい人もいますよね。

私は今後、保健師さんや助産師さんに対して子どもの睡眠に関する情報をお伝えする機会を増やしていきたいと思っています。それをたくさんのママやパパに還元していただくことで、多くのママやパパが「睡眠」を選べるようになっていったらいいなと思います。

最近はSNS上で、睡眠時間が少ない起業家やタレントに対して、「寝ないとダメですよ」といった声もよく聞かれますし、意識は変わりつつあると感じます。令和の時代はきちんと睡眠を取ることが、もっとかっこいいイメージになってほしいですね。

(構成:天野夏海)

森田 麻里子 医師、小児睡眠コンサルタント

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もりた まりこ / Mariko Morita

Child Health Laboratory代表・昭和大学病院附属東病院睡眠医療センター非常勤医師。1987年、東京都生まれ。2012年、東京大学医学部医学科卒業。亀田総合病院での初期研修を経て、2014年、仙台厚生病院2017年に第一子となる男の子を出産。自分が子どもの夜泣きに悩んだことから、睡眠についての医学研究のリサーチを始め、赤ちゃんの健康を麻酔科、2016年南相馬市立総合病院麻酔科。著書に 『医者が教える赤ちゃん快眠メソッド』(ダイヤモンド社)、 『東大医学部卒ママが教える科学的に正しい子育て』(光文社新書)がある。

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