「アウディQ8」乗ってわかった大型SUVの実力 車重を感じさせない鋭い走りは本当に楽しい

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パーソナル性を感じさせるビッグSUVは、市場規模は大きくないものの、確実にファンが存在する。ポルシェのマカンやカイエンをはじめ、メルセデス・ベンツのGLCクーペやBMW X4やX6、さらに上にはランボルギーニ・ウルスやアストンマーティンDBXなど、多くのハイブランドが商品を投入している。

「S-line」は八角形のグリルがマットシルバー仕上げに(写真:LEON編集部)

アウディは大型SUVの先駆的存在だったが、Q8でようやく戦線に加わったことになる。ホイールベースは2995ミリと長く、後席のスペースも充分。後席は100ミリ前後にスライドするので、大きな荷物を積むのに便利だ。それでいて、後席にも人が乗れる空間はちゃんと確保されている。

走らせると、何より印象に残るのは、エンジンの力強さだ。500Nmの最大トルクを1370rpmから発生するだけあって、走り出しからパワフル。かつ、エンジンは上の回転域まで回すと、加速感が実に爽快だ。

オプションで自動車高調節機能つきサスペンションが選べる(写真:LEON編集部)

A6からA8に至るアウディのセダン(とステーションワゴン)でも、この広い回転域に渡ってスロットルレスポンスがよく、かつ回すとトルクがたっぷり出て楽しい3リッターV6の実力ぶりは体験ずみだった。

Q8でも印象が変わらない点に、高いエンジニアリングの存在を感じさせる。いいエンジンを作るというこだわりは、電動車の時代がそこまできているというのに、いまもドイツの自動車メーカーにある。そこが”高級”あるいは”上質”と感じさせるゆえんなのだ。

その走りは8の名に恥じない!

Q8には、従来からの足回りを持った仕様と、ダンパーに電子制御システムが組み合わされた仕様とが用意される。試乗車は後者の「アダプティブエアサスペンション」搭載で、特徴としては、コーナリングの踏ん張りがいい。ドライバーを楽しませてくれる。

荷室容量は605リッターと広い(写真:LEON編集部)

とりわけドライブセレクターで「ダイナミック」を選択すると、ダンピングが固めになり、ボディの揺れが収まり、ステアリングは重く、そして低めのギアを維持する走りとなる。これが好ましい。

うねりのある路面をとばさないかぎり、乗り心地は決して悪くなく、スポーティとさえいえるハンドリングが楽しめる。SUVが苦手という人がいたとしたら、それは自分の思ったより、少し遅れてクルマが動くせいかもしれない。ダイナミックモードのQ8ではおそらく多くの人が運転する楽しさを味わえるだろう。

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