「アウディQ8」乗ってわかった大型SUVの実力 車重を感じさせない鋭い走りは本当に楽しい
4WDのクワトロシステムは、機械式のセンターディファレンシャルを持つ本格派。通常はトルクの40パーセントを前輪に、60パーセントを後輪に配分する。路面状況により前後輪いずれかにスリップが検知されると、最大でフロントに70パーセント、あるいはリアに85パーセントのトルクを送る。
コーナリングがいいと思ったのは、電子制御のトルクベクタリングシステムが有効に働いているせいもあるだろう。カーブを曲がるときに内側の車輪に軽くブレーキをかけることで外へふくらもうとする力を軽く抑える働きをする。
もちろんセダンとは異なる操縦性。でも、SUVを少しでも経験したことがある人なら、充分に魅力を感じとれるはず。オンナのコを誘ってのゴルフから家族とのキャンプまで、使える範囲はかなり広いことは間違いない。その間、ドライブも楽しめるというオマケも。
運転すると、見た目ほどのサイズは感じない
ボディサイズは、全長4995ミリ、全幅1995ミリ、全高1705ミリと、数値でみると大きめだけれど、取り回しが悪くないので(しかも後輪操舵システムである「オールホイールステアリング」を装着すればなおさら)、実際にドライブするときに見た目ほどのサイズは感じない。
オールホイールステアリングは、ドライバーがステアリングホイールを切る角度や速度と、車速をパラメターに使い、コンピューターが後輪に舵角をつけるシステム。
駐車場など狭い場所で低速で動くときには、後輪は最大5度まで逆位相(前輪とは反対の角度に切れる)で動く。それでうんと小回りがきくようになる。アウディによると、回転半径が非装着に比べて60㎝短くなる、そうだ。
また高速では最大1.5度、後輪は前輪と同じ方向を向く。結果、レーンチェンジ時などの安定性が増す。