自治体が「2050年CO2ゼロ」を達成する方法 国に頼らず世界にアピールする絶好の機会

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具体的には、その自治体で使った化石燃料の消費量から算定できる。そして、その量を80%減、あるいは100%減するために何が必要であるか、「年次目標」を立てるべきである。ここまでやって、初めて入り口に立てる。よく、議論をしていると「そこまでの削減はとても無理だ!」という人が多くいる。だが「まずは目標を立てて、やるべきことをやる」というトライアンドエラーのトライもしないで、手をこまねいている暇はない。

ほかの自治体よりも先んじて始めるということが、意味のあることなのだ。「待ちの姿勢」ではいいことは何も起こらない。また「排出量80%削減」というと、そのままエネルギーが使えなくなるというふうに勘違いする人も時々いる。また、「今さら、江戸時代に戻れと言われてもなあ……、そりゃあ無理だよ」という発言に代表される物言いも聞くが、誰もそんなことは言ってはいない。

実は、今のままのエネルギー消費量であれば、それをそっくりそのまま、再生可能エネルギーに置き換えればいいのである。つまり、「二酸化炭素排出量80%削減」は「再生可能エネルギー80%」とほぼ同義である。これなら、できそうに思われる。加えて、ここ30年で、日本の人口は、現在の70〜80%(20~30%減少)になる。

1人当たりの消費するエネルギー量が変わらなければ、それだけで20〜30%削減になる。もちろん個人当たりの消費エネルギーを減らすのが前提だが、人口減少はこの点において、追い風である。

まずは「交通」「建築」分野から減らせ

さて、減らすにはさまざまな分野があるが、最も大きいのは交通、あるいは建築のエネルギー分野である。また、例えば自治体内に工業などの産業がある場合には、そこでのエネルギーもかなりの量を占める。企業にとっても、ESG投資などの動きがあり、その流れに乗ることは悪いことではない。

自治体から大手の企業には「直接指導」をして、再生可能エネルギー導入に積極的になってもらえばいい。また「RE 100」という、再生可能エネルギー100%を目指す企業もある。これからはどんどん減らす方向に舵を切るべきである。

交通に関しては、自治体に住む個人が占有する自家用車を、いかに減らせるかがカギになる。具体的には、町の中心部の人口密度を上げ、歩いて暮らせるまちづくりを目指すべきなのである。郊外に広がった町をどうやって畳むかが問われている。本来、コンパクトシティーを目指すべきなのだが、それでも町はスプロール化し続けている。

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