「新型コロナ」は「バブル大崩壊」の「序曲」なのか

NYダウ603ドル下落でも漂う「危うい安心感」

さらに同博士よれば、元々は鳥インフルエンザのスペイン風邪には3段階があったという。最初のフェーズ(段階)はカンザス州でアウトブレイクが始まり、高齢者を中心にアメリカ内で拡大した時期。驚いたことに、この頃は比較的症状は軽く、致死率は低かったという。

そしてセカンドフェーズ。ここで致死率が一気に上がった。ウッドロー・ウィルソン大統領が第1次世界大戦への参戦を決め、南北戦争以来、50年以上も徴兵がなかったアメリカでは、欧州戦線へ送られる大勢の兵士が国内の数カ所に集まって集中軍事訓練を受けた。その際兵士の間で感染が広まり、米兵はウイルスといっしょに欧州へ派遣された。

博士によると、その時のメカニズムはまだ解明されていないが、そこからスペイン風邪のウイルスは激変したという。致死率が高まったウイルスは世界に広まり、皮肉だがそれが戦争を終わらせるのに役立った。そして最後のフェーズでは、帰還した兵士が強くなったウイルスをアメリカ内にまき散らした。結果、ボストンからフィラデルフィアで50万人を超える死者をだした。同博士は、今回のコロナウイルスが、スペイン風邪のパターンになることを最も警戒しているという。

博士の懸念が杞憂で終わることを祈るが、3大パンデミック(疫病の世界的な大流行)は、①の「ユスティニアヌスのペスト」ではアフリカからの商品がコンスタンチノープルになだれ込んで商売が盛んになった後。②「黒死病」ではマルコポーロの見聞録が口述で広まり、シルクロードが活況を呈した後。そしてスペイン風邪はアメリカへの移民が拡大した時期と重なる。つまり、3大パンデミックはグローバリゼーションの避けられない副産物である。

ここへ来てトランプ大統領の足元が揺らいでいる

そんな中、個人的な注目は、弾劾の最中、コロナウイルスに関しては目立った発言をしていないトランプ大統領だ。実は弾劾にびくともしなかったトランプ大統領だが、ここにきて足元が揺らぎ始めている。まず政権を去ったジョン・ボルトン氏の回顧本のコピーが出回り、その中でボルトン氏がトランプ大統領に不利な発言をしていることが、いったんは民主党を勢いづけてしまった。

さらにもっと深刻なのは、マイケル・ブルームバーグ氏の存在である。同氏の支持率はバーニー・サンダース候補などと比べると高くないが、ブルームバーグ氏は、たとえ自分が民主党の代表になれなくとも、本選では民主党候補の応援に2000億円を使う用意があると宣言したことである。これはトランプ大統領にとって脅威である。そんなトランプ大統領が次に考えるとしたら、最悪、「ジョージ・W・ブッシュ大統領を踏襲」ではないか。2003年、株が戻ろうしたところでSARSが世界に広まったブッシュ大統領は、まるで喧騒の間隙を縫うようにイラク攻撃を始めた。

次ページ過去のバブル時と今は何が違うのか?
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
  • コロナショックの大波紋
  • 働き盛りでがんになった人たちの行動
  • 最新の週刊東洋経済
  • 西村直人の乗り物見聞録
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
広告大乱戦<br>デジタル化で進む“下克上”

「ついに」か「ようやく」か。ネット広告費が初めてテレビ広告費を超えました。デジタル化の大波の中で、広告業界は“異種格闘技戦”の時代に。グーグルと組んで購買につながる広告商品を生み出したマツモトキヨシなど、激変期の最先端事例を紹介します。