「新型コロナ」は「バブル大崩壊」の「序曲」なのか

NYダウ603ドル下落でも漂う「危うい安心感」

トランプ大統領には何があってもブッシュ政権を踏襲してもらいたくない。それを踏まえ、ここからはFEDと経済の話をしておくと、FOMCでのジェローム・パウエル議長は、まさしくパンデミックなどの公衆衛生を管理する当局と同じ対応だった。基本は市場を安心させることを重視、何かあればすぐに対応することを示唆した。

だが、冒頭のトナー博士のようなアナリストも健在だ。元ダラス連銀で現在FEDウォッチャーとして保守派からは第1人者とされるダニエラ・Dブース氏は、なんと2019年のGDPの90%は「消費」だったという衝撃的な見方を示した(これまでの常識は70%)。

また個人的に好きな元メリルリンチの主席アナリスト、デービット・ローゼンバーグ氏は、2019年末からの株高の根拠である経営者マインドの好転は、カンファレンスボードの景気先行指標を見る限り、株が主導しているだけで、実体経済の項目は、2019年は前年比でマイナスであるとのリポートを出した。

金利低下余地は過去に比べあまりにも「貧弱」

繰り返すが、コントラリアン(逆張り)になるのもアナリストの重要な役割である。逆を言えば、ここまで単純化した市場経済なら、パウエル議長は、トランプ大統領を応援するつもりはなくとも、今の「ポンジスキーム」(ネズミ講的詐欺の総称)を継続するだけだ。ただし、金利を下げるのは慎重になるだろう。それはハト派的ながら、具体的な追加利下げには言及しなかったFOMC後の議長の発言から確認できる。ではなぜ利下げに消極的なのかといえば、過去のブーム&バスト(バブルとその後の崩壊)時の金利動向と比べ、今のFEDの武器としての金利低下余地はあまりにも貧弱である。

1992年のS&L危機では(アメリカ版の住専)、「アラン・グリーンスパンFED」は、3%までFFレートを下げた。もっと金利を下げてくれることを期待していたパパブッシュは再選に失敗したが、冷戦終了後のグローバリゼーションの恩恵を受けたアメリカ経済には十分だった。

そして2000年のドットコムバブルでは、クリントン政権の終わりには6.5%まで戻っていたFFレート(フェデラルファンド、アメリカの短期の政策金利指標)を1%まで下げた。結果的にこの時もそれで十分だった。最後、2008年のリーマンショックとなった住宅バブル。ここでは「バーナンキFED」は、FFレートを5.25%まで引き上げたが(2007年3月)、バブルが崩壊するとついにゼロパーセントになった。そこからQE(量的緩和)は2015年まで続いた。

次ページバブルと崩壊を繰り返す資本主義の終わり
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