それから、数日後に、ホテルのラウンジで、その女性とお見合いをした。
「会っていろいろな話をしていくうちに、『あなたは、真剣に婚活をされているみたいだから、私はふさわしくないと思う』と言い出したんです。“え、ええーっ?”と思って」
結婚を真剣に考えてのお見合いではなかったのか。
「彼女が言うには、『今ある資格を取るために勉強中だし、マネーセミナーにも出かけている。私が探しているのは、結婚相手ではなくて、一緒に食事をしたり、お互いを高め合ったりする話ができる友達だ』と。じゃあ、なんであんなキチンとした釣書を欲しがったのか? おそらく教授の勘違いだったと思うのですが、もう骨折り損のくたびれ儲けって、このことですよ」
恒夫はここまで話すと、大きなため息をついた。
「何でしょう。40代で独身の女性って、キャラが濃い人が多いというか。まずは自分の生活があって、そこに結婚を組み入れようとしている。何から何まで自分本位。まずは自分の生活があって、その次が男性との生活なので、上から目線の人が多い気がしました」
そして、こんなことも言った。
「よく婚活記事の中に『今回の男性は、食事をしたら割り勘で幻滅した』っていうのがありますよね。私は、女性と食事をして、一度も割り勘にしたことはないです。でも、割り勘にしたくなる気持ちもわかりますよ。結婚を真剣に考えてもいないのに、人に紹介されたからと言って、ご飯を食べにくる。ならば、男のほうも、半分請求したくなりますよね」
とはいえ、ここで婚活をやめてしまったら、結婚もなくなってしまうことは恒夫もわかっていた。
「失敗しても続けていくしかないと思っています。あと、こちらが“結婚”“結婚”と前のめりになっていると、変な人を引き寄せてしまう。結婚をチラつかせれば、おいしいものが食べられる、とか。あと、籍だけは夫婦だけれど、お金の出どころにされてしまうような結婚はしたくない。焦る気持ちもあるんですが、一つひとつが経験だと思って、これからは相手のことをしっかり見ていきます」
お金に対する価値観から見える人間性
確かに結婚に焦りすぎると、相手を見る目が曇る。また、焦りが相手にわかってしまうと、そこに付け込まれる。男女逆パターンで、結婚に焦っている女性の中には、男性から“結婚”という言葉をチラつかされて、体の関係になり、遊ばれたり、金品を貢がされたりすることもある。
男女が付き合うときや結婚するときには、お金の問題は常について回ることだ。お金に対する考え方や使い方には、その人の人間性が透けて見える。
どんなに見た目がタイプだったとしても、奢られることを当たり前だと思ったり、お金を平気で要求したりしてくるような人は、そういう人間性なのだと認識したほうがいい。もちろん、その人のためにお金を使うことが喜びであると言うのなら、それはそれでいいのだが。
どういう結婚相手を選ぶかは、最終的には個人の選択だ。
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