家余り時代に入居希望者を増やす「ひと工夫」 住宅流通を救う!?ホームステージングの実力

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

実は、中古住宅の売買の場合、在宅(居住中)で売り出すほうが圧倒的に多い。空き家の状態であれば家具やインテリアを新たに置くステージングとなるが、在宅であればそうはいかない。

ホームステージングコンテストでも「在宅部門」を設けていて、第4回のグランプリを受賞したのが、不動産会社の価値住宅(株)だ。

左がホームステージング前のリビング・ダイニング(写真:価値住宅提供)

住んでいる人の趣味趣向をできるだけなくす

価値住宅・代表取締役の高橋正典さんは、「売却依頼を受けた物件を売りやすくする」目的で、基本的に全物件でホームステージングを提案しているという。そのために社内に2名のステージャーを育成し、本場アメリカのホームステージングの専門家の指導を受けさせている。

左がホームステージング前の寝室(写真:価値住宅提供)

高橋さんによると、在宅のホームステージングでは、住んでいる人の趣味嗜好をできるだけなくすほうがよいという。そうしたものをできるだけ片付け、すでにある物の中から使えるものを上手に活用して演出すれば、費用をかけずにホームステージングができる。片付けたものは、そのお宅にスペースがなければ、自社の空きスペースで預かるなどの工夫をしている。

受賞した中古マンションでは、売り主は買い替えのために早く売りたいが、査定額に不満があることが課題だった。というのも、同じ時期に同じマンションの同じ階で売り出し物件があり、こちらは東向きだからという理由で、南向きのその物件の査定額より200万円以上低い額を他社から提示され、その金額に売り主が納得できなかったというもの。

価値住宅は、ホームステージングをすることで、その物件と同額の査定額を提示し、それより200万円高く売り出す提案をした。その結果、1週間で購入申し込みが入り、査定額より高い額で成約に至ることができた。

次ページ賃貸住宅の事例
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事