インスタでファン激増「仲良し夫婦」が作る総菜 「映え」を狙わない料理が人気を集める理由

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お互いの得意分野を説明する言葉に、敬意がこもる。台所でも相手をリスペクトしていることが、ケンカにならずスムーズに共同作業が進む背後にあるのだろう。その仲のよさと、現役世代が理想とする家事シェアを具現化する姿に憧れて、フォロワーが増えている側面もあるのではないだろうか。

休日にはじっくり煮込みなどを作るぐっち夫婦氏がレシピとして提案するのは、20分程度と短時間で済むものが多い。また、スーパーで買える食材で作ることを心掛けているという。実際に残業して帰ってきた2人が作るものだから、説得力がある。投稿する料理にアイデアがあり、同時に作りやすそうなハードルの低さも人気の理由だろう。

作ってみたいと思わせる瞬間を切り取る

また、2人はインパクト以外に目を引く写真に仕上げる工夫もしている。

「映えるような、外食店にある魅せるようなものというより、見ておいしそうなシーンを伝えたい。私たちも、いつもの食事が楽しくできる、ということを伝えたくて」とSHINO氏が言えば、Tatsuya氏が「写真にあえて隙を残すようにしていて、自分ごととして食べたくなるものを心掛けています。インスタグラムでもレシピを提供しているので、作ってもらいたいんです。包む瞬間を撮るとか、作ってみたいと思わせる瞬間を切り取る」と説明する。

「『よかったら作ってみて』という気持ちがあります。身近に感じてもらえたらすごくうれしい」とSHINO氏も言う。

副菜を作ることが多いというSHINO氏(撮影:今井康一)

そのレパートリーが幅広く、きちんとレシピ化できるのは、2人が豊富な経験を持っているからだ。聞けば、普段からレシピ本や雑誌、外食で行った店の料理など、さまざまな料理をチェックし、レシピのアイデアをストックしている。そして2人とも、年齢の割に料理歴が長い。

Tatsuya氏が料理を始めたのは、高校生のとき。大学に入ると、地中海料理の店の厨房で4年間アルバイトしていた。「『何してもいいよ』みたいに言ってもらえる店だったので、本をもらって勉強がてら日替わりメニューを作ったりしました。だからパスタは得意なんですが、急いで作って計量しないから、レシピ化したくないんです」と笑う。

一方、SHINO氏は、八百屋を営む祖父母と同居する家族の中で育ち、小学生の頃から自然に料理を始めた。食に関わる仕事をしたいと、大学は女子栄養大学を選択。現在の職場まで、勤めた3社はいずれも食品関係、という徹底ぶりだ。25、26歳のときにフードコーディネーター養成スクールに通って学び、今は個人としても、料理家、フードコーディネーターの仕事も請け負うという。

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