目標達成できない人が使う5つの「残念ワード」 目標が達成できるかは「行動計画」で決まる

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もう2種類、先ほどとは少し違った角度から「使ってはいけないNGワード」を解説しましょう。まずは4つ目のNGワードからです。

NGワード4:立派な言葉

例……「信頼獲得」「顧客満足」「品質向上」など

とくに企業で目標達成のための行動計画を立てると、次のような「立派な言葉」が必ず出てきます。

・「部内の信頼を獲得する」「営業での信頼獲得」

・「お客さまの満足を得る」「顧客満足を高める」

・「商品の品質を向上する」「サービス面での品質向上に努める」

すべてもっともそうな「立派な言葉」でありすばらしいですが、残念ながら目標達成のために有効な行動が実践されることはありません。

「部内の信頼を獲得する」とは、いったい部内で何をやろうというのでしょうか?

「お客さまの満足を得る」とは、いったいどんなサービスを行うのでしょうか?

「商品の品質を向上する」とは、いったいどんな改良を商品に施すのでしょうか?

発案した本人ですらわかっていないことも

企業内では、こうした「立派な言葉」が数多く飛び交っています。いかにも道理のように聞こえるので、誰もが納得してしまいやすいのですが、実は「立派な言葉」は行動計画としては「あいまいな言葉」なので、具体的に何をするのかが見えてこないのです。

ここでも、発案した本人ですら何をするかわかっていないことがあるので、目標達成に向けて行動が続かないのは当然です。もっと具体的にする必要があります。

私はよく「小学生でもわかる簡単な言葉を使いましょう」と言います。もっともそうな立派な言葉より、誰でもわかる簡単な言葉のほうが、確実に行動に結び付きます。簡単な言葉に変えると、次のようになります。

改善前:「部内の信頼を獲得する」

改善後:「毎日5分早く出勤し、部内書類の整理を行う」
改善前:「お客さまの満足を得る」

改善後:「お問い合わせへのメール返信を1時間以内に行う」
改善前:「商品の品質を向上する」

改善後:「出荷するときに、再度、不具合がないか確認する」

これで行動が明確でわかりやすくなりました。具体的でわかりやすいということは、継続しやすいだけでなく改善もしやすいということ。自分で「効果があったのか、そうでないのか」を判定できるので、行動改善のアイデアも浮かびやすくなります。

次ページその言葉、意味わかって使ってる…?
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