楽天、携帯事業開始「半年遅れ」が手痛い事情 参入前に大手3社が囲い込みを推進

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その結果広がったのが、家族複数人以上で通信契約に加入すればひとりあたりの携帯電話料金が安くなる「家族割引」だ。ソフトバンクではいち早く2017年9月22日から導入していたが、しばらく追従しなかったNTTドコモとau(KDDI)も2019年6月1日に開始した新プランから導入した。

家族割引は解約防止によく効く

割引額は各社ごとに異なるが、3人以上の加入なら1人あたりの毎月の携帯料金が1000円以上安くなる。

家族割引は通信料金に大きく影響するため、利用者からすれば家族でまとめて同じキャリアとの通信契約を結ぶことが大事になる。裏返せば、誰か1人だけ機動的に他社に乗り換えることはしづらい。

一方で、家族全員で他社に移るのもラクではない。家族それぞれが同じような時期に携帯ショップに行くなどして、煩雑な乗り換えの手続きをこなさなければならないからだ。

加えて、スマホ端末の故障時の補償サービス(有料)も、家族まとめての移行を妨げる。端末補償サービスは端末を販売するキャリアとの通信契約が必須条件になっているケースが多い。端末を買い替えずに通信契約だけ他社に乗り換えた場合、たちまち補償サービスがなくなってしまう。

1人なら端末買い替えのタイミングで通信契約も乗り換えれば端末補償も付くが、例えば4人家族の場合、買い替えの適正時期はそれぞれバラバラだ。こうした課題もある中で、家族そろって通信契約を乗り換えるハードルは低くない。これらの理由から、家族割引は解約防止によく効く。

もっとも、まだ導入から日が浅いドコモとauでは、昨年6月以降に開始した家族割引の対象プランに利用者が段階的に移行していっている状況だ。

その中で、楽天モバイルの事業開始の遅れは両社に時間を与えている。今年4月までの間にも、ドコモやauが家族割引で囲い込む利用者はどんどん増えていく。

家族割引だけではない。もう1つ、楽天モバイルにとって痛手となる要素がある。現在キャリア3社が力を入れている、ガラケー利用者のスマホへの乗り換えの促進だ。

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