動画・SNS「見放題」、消えない公平性への懸念

総務省策定のガイドラインになお残る穴

ソフトバンクは2018年9月から動画・SNSの「見放題」を開始した。総務省のルール整備は後手に回っている(記者撮影)

スマートフォンでの動画やSNSの「見放題」に関するルールを定めた総務省のガイドライン案がまとまった。近く正式決定し、年度内にも実施される見通しだ。見放題の対象となるコンテンツの選定基準の明確化や透明化などが柱として盛り込まれているが、公平性をどう確保するのかの課題はなお残されたままだ。

特定のコンテンツのみが見放題となる、いわゆる「ゼロレーティング」は、ソフトバンクやKDDIなど大手キャリアのほか、ビッグローブなど一部の格安スマホ事業者も導入しており、広く人気を博している。

利用者にとってゼロレーティングは、データの使用量を気にすることなく対象のコンテンツを存分に楽しめるという大きなメリットがある。だが、その結果としてゼロレーティングの対象のコンテンツが相対的に利用されやすくなり、競争上の有利不利が生じる懸念が指摘されている。

「合理的かつ明確な基準」が求められる

総務省はこうした課題などを踏まえてゼロレーティングに関する有識者会議を2019年7月から12月にかけて6回開き、ルールづくりを検討してきた。

このほどまとまったガイドライン案には、通信事業者が採ることが望ましい行為として、「対象コンテンツなどの選定について合理的かつ明確な基準を定めて公開すること」などが盛り込まれた。さらに、ゼロレーティングの選定にあたって不当な差別的取り扱いが行われた場合は、業務改善命令の対象にすることも明確化した。

また、ゼロレーティングの選定のあり方については、一定以上の規模(移動通信のシェア0.7%以上)を持つ通信事業者を念頭に、「健全な競争を阻害しないためにも、同一カテゴリーに属するコンテンツ等を提供する事業者に対して同様の機会を提供することが求められる」と記している。

平たく言えば、「影響力の大きな一定規模以上の通信事業者は、あるコンテンツをゼロレーティングの対象にした場合に、同じカテゴリーの他事業者のコンテンツからもゼロレーティングの対象にすることを求められれば、合理的な理由なしには拒めない」ということになる。

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