「自分に自信のない人」が結局、成功している訳 毎日出会う小さなサードドアが人生を変える

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そのときはじめてドアがあり、それを開けられることに気がついたんです。「えっ、そんな選択肢があったんだ!」と。だから私にとってのサードドアは、アレックスのように自分から探し求めて蹴破ったものではありません。ちょっとした勘違いから、まわりの人が教え導いてくれたことで、恐る恐る開けてみたというものです。

でも、人生には、意外とこういう勘違いや失敗を、その後にどう捉えるかで、同じ出来事でも違う方向を生むということがあるんじゃないかと思うんです。

例えば、コンテストに落ちた時点で、「やっぱりダメだった」と諦めるという方向もあったと思います。でも私はそうは考えず、いい意味で前向きな勘違いをしたんですね。アレックスも前向きな勘違いをして、自分の夢を追いかけていきますが、人に迷惑をかけなければ、それもいいと思うんです。

「とりあえずやってみよう」が変えた未来

会社を辞めてイラストレーターを目指すという選択をしてから、みるみる自分自身が変化していきました。それまでは体が弱かったこともあって、人見知りで引っ込み思案だったのですが、「とりあえずやってみよう」という感覚でいろんなことに挑戦するようになったのです。

以前は、人と会うことが苦手で、仕事もメールのやりとりだけで済むとホッとしていました。でも、「とりあえず会ってみよう」という感覚で会って話してみると、その中で新しいアイデアが生まれたり、自分が思いもよらなかった力や特徴を、相手の方から教えてもらえたりしたのです。それからは人と会うのが面白くなりました。

「とりあえずやってみよう」と行動してみることは、「小さなサードドア」を開けることだとも思います。人から見れば大したことのない話だと思いますが、そこから自分が大きく飛躍することもあります。

例えば、私はこの年齢まで1人でランチに行くことができませんでした。でも、思い切って行くと決めてドアを開けると、どんどん積極的に行動できるようになっていきます。ランチの次は「海外に行って、自分の絵を見てもらいたい」と思うようになり、昨年、はじめて香港や韓国に行きました。

そして、さらにその勢いで、「海外の人に自分の絵を見てもらうためにも、英語力を鍛えたい」という気持ちから、とうとう1人でセブ島へ語学留学するまでになったのです。出発するまでは、授業についていけないんじゃないか、この年齢では友達もできないんじゃないかとネガティブなことばかり考えていましたが、実際にフタを開けてみたら、拍子抜けするぐらい楽しかった。

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