“ハイテクニッポン”の最後の砦は今…無敵神話もついに崩壊!? 素材各社の模索
LG化学がグループのLG電子向けに偏光板量産を始めたのが02年。そして7年後、ついに世界トップに躍り出た。今後は技術的に参入が難しいとされるガラス基板参入も表明するなど鼻息が荒い。7~9月期には四半期ベースで過去最高の売上高、利益を上げ「3四半期連続でLG化学がトップを維持するのは確実」と、ディスプレーバンクの金桂煥・日本事務所代表は推測する。
同じように、サムスン電子や台湾のAUO、CMOなども本格的な内製化を開始している。このほか、サムスングループ傘下の第一毛織が、半導体パッケージ用封止材など電子材料を育成中。同グループは95年に合弁会社で、ガラス基板の生産を始めトップシェアに躍り出るなど部材垂直化の動きは加速している。
自前の部材を育成し、早期に“自立”したい韓国には、増え続ける対日貿易赤字というジレンマがある。08年の韓国の対日貿易赤字は224億ドル。97年通貨危機後に赤字はいったん縮小したが、03年からはほぼ連続で過去最悪を更新中だ。実はその大半を占めるのが、半導体・液晶向けのハイテク素材なのだ。
川上を日本に依存し続けている以上、いくら韓国で最終製品を作っても対日貿易赤字は膨らむ一方。韓国の経済成長にとって大きな足かせとなる。韓国政府も、こうした現状を脱するため、輸入代替ではないグローバルに競争力を持つ部品・素材を育成する措置を講じてきた。