いきなり!ステーキ、「原点回帰」へ転換の成否 生牡蠣に牛たん、「社長からのお願い」も不発

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

いきなり!ステーキのテコ入れ策は次々と打ち出されている。

2019年5月には都心の店舗で生牡蠣を提供。同じ月にはロードサイドを中心とする一部店舗で、子ども用メニューや牛たんなどのサイドメニューを開始した。内装工事にも着手し、7月にはロードサイドの36店舗で家族連れがゆったりと食事できるよう、低いテーブルやいすを設置した。

11月にはディナー時の定量カットメニューを導入。以前はディナータイムには「1グラム6.9円」(税抜き)などを「量り売り」で販売していたが、現在は「300グラム2070円」(税抜き)など、注文しやすい定量メニューを取り入れている。

SNSの反発を受けた「社長からのお願い」

12月にはサントリーホールディングスの「黒烏龍茶」の提供を再開した。いきなり!ステーキでは食べた肉の合計に応じた「肉マイレージ」と呼ばれる会員カード制度があり、3キロ以上食べた「ゴールドカード」以上のランクの会員は、通常税抜き300円で提供されるソフトドリンクが1杯無料となる。

黒烏龍茶は無料ドリンクの1つで人気が高かったが、2018年6月から提供を取りやめ、代わりに原価率が低いプライベートブランド(PB)のウーロン茶に変更していた。だが、顧客からは不評で今回、サントリーの黒烏龍茶とPB商品を両方取り扱うようにした。

「社長からのお願い」と題したはり紙を店舗に貼り出し、SNS上で話題となった(記者撮影)

世間の注目を集めたのが「社長からのお願い」と題したペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長直筆の貼り紙だ。12月4日から都内の店舗で順次貼り出されたその内容は、「お客様のご来店が減少しております。このままではお近くの店を閉めることになります」と情に訴えかけて来店を促すもので、SNS上で「上から目線」といった反発の声があがり、12月22日には取り外された。

なりふり構わず、あらゆる施策を試みているいきなり!ステーキだが、ほとんどが不発に終わり、既存店売上高に回復の兆しはみられない。

次ページ2020年は原点回帰の年に
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事