「スター・ウォーズ」日本人CG担当者の異色経歴 45歳で証券会社勤務からハリウッドの世界に

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――成田さんが関わった「スター・ウォーズ」シリーズの作品は、『フォースの覚醒』以降、スピンオフも合わせた5作品となるのでしょうか。

そうです。ただ『ローグ・ワン』の時は、『トランスフォーマー』の仕事を中心にやっていたため、『ローグ・ワン』は1カ月程度しか関わっていませんが、モデルは作りました。だから『ローグ・ワン』の時はエンドロールに名前が載ってないんです。あとの4本は全部名前を載せていただいています。

――『スター・ウォーズ』に5本関わってみて、どのような感想を持っていますか。

非常に僕はラッキーでした。自分がこういうことをやれたということで、誇りを持って仕事ができたと思っていますね。

トイ・ストーリーのCGを見て「できるかも」

――そもそもモデラーを目指したのはどのようなきっかけだったのでしょうか。

もともとは子どもの頃から映画が好きで、いつか映画の仕事に携わりたいという漠然とした夢を持っていました。僕は1963年生まれですが、当時はハリウッドなんて本当に別世界だと思っていました。そもそも自分がそっちに行きたいなんて思っていませんでした。

最新作『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は「スター・ウォーズ」シリーズの最終話の位置づけ ©2019 ILM and Lucasfilm Ltd. All Rights Reserved.

だから普通にサラリーマンになったわけです。しかし、アメリカの駐在員になってアメリカに行くと、いろんなところにアメリカンドリームというものがあった。頑張れば何とかなる、みたいな空気を肌で感じていました。

そんなときに(ディズニー/ピクサーのCGアニメ映画)『トイ・ストーリー』(1995年)を見て。僕はずっとコンピューターでメシを食ってきた人間なので、ひょっとしたらコンピューターでCGの勉強をすれば、自分で今まであこがれてきた映画の世界に入れるんじゃないかなと思うようになったのです。

――そこから勉強を始めたんですね。

実際に決断したのは、『トイ・ストーリー』を観てからしばらく後のことです。当時はシリコンバレーに駐在して、コンピューターのテクノロジーを調査する仕事をしていました。

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