「スター・ウォーズ」日本人CG担当者の異色経歴

45歳で証券会社勤務からハリウッドの世界に

――成田さんの経歴を聞いて、40歳代でも新たなキャリアにチャレンジできる勇気をもらえるなと思いました。40歳を過ぎて、新しいキャリアを考えている方にメッセージをいただけないでしょうか。

やはり僕がアメリカにいたからだと思うんです。日本にいたらできなかったと思うんですね。日本はどうしても年齢で動く社会ですから。こういったチャレンジをするのは、40代を越えると難しくなってきます。

僕が皆さんに言えることがあるならば、やはり1回きりの自分の人生ですから、日本で夢をかなえることが難しければ、どんどん世界に目を向けていけばいいと思います。そういうことができる世界もあります。視野を広げるのもいいのではないかと思います。

アメリカは実力がすべて、年齢は関係ない

――アメリカでは40歳代でも迎え入れてくれるものですか。

アメリカでは、年齢で採用するかどうかを決めるということは差別になりますから、そういうことは一切禁止されています。まず履歴書に年齢を書くことがない。

基本的にアメリカンドリームの国なので、実力があれば、たとえバックグラウンドが全然違っていても構わない。僕の場合はCGでしたが、やはり何か物を作って、その物を見せて、それを見た人が感動するようなものを作る。ただ、それだけなんですよ。それで雇ってくれる社会なんです。

――証券会社時代は、仕事の合間に勉強をされてきたということですよね。

最初のチャレンジのときは仕事をしながら勉強していました。もちろん仕事に迷惑はかからないようにですけど。主に勉強していたのは、仕事から帰ってきてから深夜までと、土日をずっと使って。それを3年間やっていた。2回目となる45歳の時のチャレンジでは、仕事を辞めたので、学生としてフルタイム勉強しました。

なりた・まさたか/1963年生まれ、愛知県出身。1985年に名古屋大学工学部を卒業後、NECに入社。1988年に日興証券へ転職し、IT部門で技術リサーチを担当。1993年にシリコンバレー先端技術研究所開設にともない米国赴任。2008年にハリウッド映画業界で働くという夢をかなえるため退職し、2009年に46歳にしてハリウッドのVFX業界でプロデビューを飾る。2013年ILMに入社後、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』や『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ではモデラーを務め、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』ではチームを率いるリード・モデラーに大抜擢。ミレニアム・ファルコンやTIEガンシップなどを手掛ける (筆者撮影) 

――家族の皆さんの意見はどうだったんですか。

もともと1997年頃から、そういうことを始めて、「やりたい」と言ってきた。それを、女房はずっと見ていました。いきなり今日から仕事を辞めてCGをやるんだ、という話をしたわけではありません。それまでの仕事が大変だったこともあり、「自分のやりたいことにチャレンジしたほうがいいじゃないか」ということで賛成してくれました。

――『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』の見どころについて教えてください。

42年前に始まったスカイウォーカー家の話がこれで終わりとなります。やはり『スター・ウォーズ』といえば、ルークやレイア、ハン・ソロの話なんで。それが終わるというのは、寂しい感じがします。しかし、これが最後ですから。われわれスタッフもその分、一生懸命頑張って最高のものを作ろうとここまでやってきました。きっと皆さんもご期待にお応えできる作品になっていると思います。

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