「会社を3年でやめる若者」が減らない根本原因

雇用のミスマッチ生む「新卒一括採用」の罪

ここ20年、入社3年以内で離職する大卒者は3割を超えている(写真:CORA/PIXTA)
ここ20年、入社3年以内で離職する大卒者は3割を超えている。なぜ若者は就職活動で苦労してつかんだ仕事を簡単に手放してしまうのか? 『転職の「やってはいけない」』著者で、これまで3000人以上の転職・再就職をサポートしてきた郡山史郎氏が解説する。

会社は入ってみないとわからない。そのため、入ってから「雇用のミスマッチ」に気づくこともある。

大卒の新入社員の3割が入社3年以内に離職する。よほど「ブラック」な職場なのだろうと思われるかもしれないが、大学生の「就職したい企業ランキング」の上位に入る「ホワイト」に見える人気企業でさえそうだという。

「雇用のミスマッチ」が生まれる原因

なぜ若者は3年で辞めるのか? 就職するときの「物差し」が間違っているから、というのが私の考えだ。人材紹介業という仕事柄、就職や転職に関するさまざまな相談を受けるのだが、大学生の多くは、自分に向いているかどうかということではなく、その会社が有名だとか、給料がいいとか、親が喜ぶからとか、そういったことで会社を選びがちなのだ。

あるとき、さる優秀な学生にどの企業を受けるのかと聞いたら、「○○航空と○○電機と○○製薬を受ける」と言われて驚いたことがあった。また、知り合いから「娘が○○銀行と大手外資系コンピュータ会社に受かったが、どちらに行けばいいか」と相談されたこともある。業界も仕事内容もまったく違うではないか。サービス業に向いている人、メーカーに向いている人、みんなそれぞれ違うはずだ。

このように会社を知名度や給料で選んだ学生は、入社してすぐに「自分には向いていない」と気づく。これが「雇用のミスマッチ」である。その原因は「新卒一括採用」にあると私は考えている。

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