「2019年に刺さったCM」に見るヒットの共通点 消費者の心を動かすアイデアとは何か?
2019年がまもなく幕を閉じる。この時期になると、1年を振り返るさまざまなニュースを耳にする。「ユーキャン新語・流行語大賞」には、日本ラグビー史上初となるワールドカップ決勝トーナメント進出を果たした日本代表チームのジェイミー・ジョセフヘッドコーチが掲げた「ONE TEAM」が選ばれた。
11月にはローマ教皇が38年ぶりに来日し、核兵器の廃絶を訴えた。日本漢字能力検定協会が全国から公募・決定する「今年の漢字」には、未来に対する希望も込め、新元号を象徴する「令」が選ばれた。明るい話題が思い出される一方、相次ぐ大きな自然災害や日韓関係の悪化、首里城の焼失など心が痛む出来事もあった。
さて、今年のテレビCMはどうだったのだろうか。CM総合研究所が1年間のCMの総まとめとして毎年開催している『BRAND OF THE YEAR』から振り返ってみよう。
『au』がCM好感度で5連覇
2019年度にCMをオンエアした全6922銘柄のうち、KDDIの『au』が5年連続のCM好感度ナンバーワンに輝いた。松田翔太、桐谷健太、濱田岳がそれぞれ桃太郎、浦島太郎、金太郎を演じる「三太郎」シリーズが引き続きスコアを伸ばした。神木隆之介らが出演する「意識高すぎ!高杉くん」シリーズも好評で、元日には「一緒にいこう」をコピーに、両シリーズのキャストが共演するCMをオンエア。
これまではブランド広告とサービス広告としてすみ分けしていた両シリーズを初めてコラボレーションさせ、視聴者を驚かせた。新キャラクターとしては池田エライザ扮する“親指姫”が登場。CM開始1年半前からInstagramのアカウントを開設するなど、重層的な仕掛けも話題となった。
2位はソフトバンク『SoftBank』。アーティストとのコラボ楽曲をBGMに広瀬すず、吉沢亮らが出演するCMや、岡田准一らが“ギガ不足”に悩む“ギガ国”を旅するCM、上戸彩ら出演の「白戸家」シリーズなどが快走した。3位はNTTドコモ『NTT DOCOMO』。星野源扮する“星あゆむ”が“ドニマル”(新田真剣佑)、“コスモフ”(長谷川博己)、“モンジュウロウ”(浜辺美波)という3匹のキャラクターをプロデュースする「星プロ」シリーズが好調で、携帯キャリアが4年連続でトップ3を占めた。
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