さてここからは恒例の競馬コーナーだ。馬の関係者にとっての経済価値はダービーやジャパンカップの勝ち馬が上なのかも知れないが(加えて、スピード能力に期待出来る皐月賞馬、桜花賞馬)、競馬ファンにとっては年間で最も馬券が売れるレースである有馬記念(22日11R、中山競馬場、距離2500メートル)は重要だ。今回、連載のローテーションによって有馬記念の予想を書く順番になり、身の引き締まる思いだ(注;身の引き締まり具合と予想の的中確率には何の関係もないはずだが)。
有馬記念の本命はサートゥルナーリアで一致
ビジネス文書のように、結論を先に書く。筆者の本命はサートゥルナーリア(5枠10番)で、対抗ヴェロックス(7枠14番)との馬券に気合いが入っている。馬券的にはヴェロックスの方に妙味があると思うが、勝つ確率はサートゥルナーリアが上だろう。
さて、有馬記念は常識的に推測される馬の力関係では決まりにくい、思いのほか、癖のあるレースだ。
① コーナーが多くて小回りの中山コースへの適性があるか、
② ローテーション的に疲れを引きずっていないか、
③ 年末なので馬場がそこそこに荒れており、タイムが掛かり、追い込み馬が不利になることが多い馬場に対応出来るか、
の少なくとも3点について考えなければならない。
本命のサートゥルナーリアは、中山コースに経験豊富で且つ完璧な実績を持ち、レースの器用さ、末脚の切れ味などのレベルが高い。単勝を買うなら、この馬ではないか。
対抗のヴェロックスは、例年しばしば好走する、菊花賞上位でタフな馬場に強くローテーション的にフレッシュな、その年の3歳の実力馬(一昨年の勝ち馬ブラストワンピースのイメージだ)に該当し、いい具合に地味で、今回は馬券的な妙味が大きいのではないか。
これら2頭を中心に馬券を考えたい。両馬を絡めた3連複を幅広く買い、馬単でメリハリを付ける。相手には、アーモンドアイ(5枠9番)、リスグラシュー(3枠6番)の実績牝馬2頭と、有馬記念と相性のいい菊花賞馬であるキセキ(6枠11番)、フィエールマン(3枠5番)、ワールドプレミア(4枠7番)を押さえに採る。
(吉崎氏の予想)
2020年度予算と大型補正が閣議決定され、アメリカではドナルド・トランプ大統領が弾劾訴追を受けた。毎年のことながら、年末の忙しい時期に有馬記念はやってくる。しかし今週末の有馬は、近年まれにみる好メンバーではないか。
簡単に言ってしまうと、有馬記念とは2回に1回は本命が来るレースである。だから良い年を迎えたい人は、素直にアーモンドアイを単勝で買えばよい。史上最強牝馬という呼び声に誇張はない。配当は低くても、良い年を迎えられるだろう。
有馬で牝馬が来ることは少ないが、近年では女帝・ジェンティルドンナが勝利している。その2014年がどういう年だったかというと、『アナと雪の女王』がヒットした年であった。そして今年は『アナ雪2』を上映している。世にいう「有馬の世相馬券」という意味でもアーモンドアイは鉄板なのである。
しかし筆者は毎度の癖で大勢に逆らいたい。山崎さんと重なるけれども、本命はサートゥルナーリア。秋の天皇賞(府中競馬場)ではアーモンドアイに敗れたが、相性のいい中山競馬場であれば勝負になるだろう。仮にサートゥルナーリアが菊花賞に出ていれば、同じ3歳馬のワールドプレミアやヴェロックスには先着していたはず(神戸新聞杯では圧勝している)。それが「秋天」に回って負けたお陰で評価を落としている。これは狙い目ではないか。
凱旋門賞で大敗したフィエールマンも気になる存在だ。何しろ菊花賞と春の天皇賞を制している。そして鞍上はグランプリ男の池添謙一騎手。一発があっても不思議はない。
いつも偏愛している「ステゴ産駒」からは、これが引退レースとなるクロコスミア(6枠12番)の複勝を少しだけ買っておきたい。
2019年もレースが終われば、中山競馬場正門前広場でツリーのイルミネーションを見上げることになるだろう。できれば有馬を当てて、良いクリスマスを迎えたいものである。読者諸兄のご武運を祈る。
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