「新NISA」はいまのNISAとどこがどう違うのか 「お金がある人」も「あまりない人」にもお得だ

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一方、現時点でまとまった投資資金がない人は、つみたてNISAで地道に資産形成に励むといい。金融庁は、明らかにつみたてNISA的な投資を良い投資方法だと思っているようだし、筆者もそう思う。

なお、課税される所得が見込める若い人(50歳代くらいまで十分若いよ!)の場合、掛け金が所得控除されるiDeCo(個人型確定拠出年金)をまず利用することのメリットが大きい場合があることを付記しておく。現実的には、大事な考慮かも知れない。

また、これまで、特に金融機関の対面営業にあっては、つみたてNISAの対象商品に対する投資を、一般NISAや通常の課税口座では行えない場合が多かったようだが、金融庁の担当者は、今後はそのようなことがないことが望ましいと言っていた。当然だろう。ちなみに、ネット証券では、現在でも、何れの口座でも手数料の安い商品を買えるはずだ。

個別株投資とNISA口座の関係は?

なお個別株投資について補足しておこう。個別株投資は、投資しているポートフォリオのリスクとリターンに十分配慮するなら、大変良い投資になり得ると筆者は考えている。

しかし、「一般」でも「新」でも、NISA口座「だけ」を見る場合、個別株への集中的な投資は、あまりお勧めしない。個別株は当然投資の際のリスクが大きいし、状況の変化によって、持ち株を売りたくなる場合がインデックスファンドよりも多い。NISAは、せっかく5年間の投資収益に対する課税が免除される制度なのに、期間の途中で売却したくなるかも知れない対象への投資は、多くの場合適切ではないはずだ。

保有している金融資産ポートフォリオのリスクの数値を自分で計算出来るくらいのスキルを持っている例外的な投資家(マニア!)を除くと、特にNISA口座では、手数料が安いインデックスファンドへの投資が正解になる場合が多いはずだと申し上げておく。

読者にとって、運用自体が仕事でも趣味でもないなら、低コストなインデックスファンドへのほどほどのリスクでのシンプルな投資を中心に、お金を運用しておくのがいいと筆者は思っている。人生には、お金の運用よりも重要で面白い事柄がたくさんある!2019年もそうだったが、2020年もそうにちがいない。本編はここで終了です。次ページでは競馬好きの筆者が週末のレースを予想します。あらかじめご了承下さい)。

次ページここからは競馬コーナー。山崎・吉崎両氏の有馬記念W予想!
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