「新NISA」はいまのNISAとどこがどう違うのか 「お金がある人」も「あまりない人」にもお得だ

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さて、紹介するとは言ったものの、脅かすわけではないが、新NISAは複雑だ。筆者が制度の全てを説明できるわけでもないし(期間終了後のNISA制度間の資産移管(いわゆる「ロールオーバー」)の詳細な条件などはまだ知らない)、以下の説明に言葉足らずの面がある可能性もある。

12月中にも金融庁のホームページで説明される予定なので、詳しくは、そちらを見て改めて内容を確認していただきたい。以下は、金融庁の担当者からお聞きした話を元に、筆者なりに「新NISA」の概要をまとめたものだ。

新NISAの「11の特徴」とは?

さて、新NISAは、以下のような制度だ。

① まず、根本的に、新NISAは2024年から5年間を期限とする税制措置だ。条件を満たすNISA口座内の投資に関わる利益に対する課税が免除される。現段階では、与党の税制調査会の来年度の税制改正の要望事項として大綱に載った段階で、2020年の国会で正式決定される予定の段階なのだが、実質的には「ほぼ決定事項」と見ていいだろう。
年間20万円を上限とする積み立て投資部分を1階部分、年間102万円を上限とするより自由な投資が出来る2階部分とする、「2階建て」の制度となる。
2階部分の利用には、原則として1階部分の投資を併用する事が必要だとされている。
④ ただし、1階部分に上限の20万円まで投資しなくても、2階部分を利用して良い。毎月数千円、といった単位の少額の投資でも、1階部分で積み立て投資を行うなら2階部分を利用する条件を満たすという。
⑤ ただし、上記には例外があり、個別の上場株式への投資については、1階部分を利用することを前提とせずに、2階部分で投資が出来る。一方、2階部分で投資信託やETF(上場型投資信託)やREIT(不動産投資信託)のような所謂「ファンド」に投資する場合には、一階部分の利用が条件になる。
1階部分の投資対象銘柄はつみたてNISAと同じになるという。一部の報道に「低リスクな商品への積み立て投資」とあったが、債券ファンドなどを対象とするものではない。新興国株式に投資するファンドも含む、主に株式に投資するファンドへのオーソドックスな積み立て投資が認められる。
⑦ 2階部分で投資出来る対象は、個別株式もあるし、投資信託も1階部分よりも範囲が広いが、レバレッジを利用した投信、通貨選択型の投信などは除外される。投資対象資産のヘッジ以外の目的でデリバティブを使う商品は認めないということのようだ。「必要があれば適宜先物等を使うことがある」というような範囲の広い利用を可能にする約款になっている投資信託商品は、デリバティブの利用をヘッジ目的のみに制限するような約款変更を行わないと新NISAの投資対象にならない。手続きが少々面倒かも知れないし、多少の議論を呼ぶ条件かも知れない。
現行の一般NISAの資産は全額新NISAへ移行可能になるようだ。これは、既存の一般NISA利用者にとって、なかなかの好条件だ。
現行のつみたてNISAは、当面5年間期限が延長される。
ジュニアNISA(現在、利用者が多くない)は延長せず現行制度の終了をもって打ち切りとなる予定だ。但し、期間途中の換金の際の利益に対して課税を遡って適用しない特別措置を設けるという。
新NISAの1階部分は5年の期間終了後には、つみたてNISAに資産を丸ごと(いくら値上がりしていても)移管できるという。

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