今こそ「わからず屋」上司に引導を渡すべき理由 根っから無礼な人は自分が無礼と気づかない

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上司の横柄な態度・過小評価などのストレスでかかるコストは膨大です(写真:Ushico/PIXTA)
なぜ本当にできる人は、不機嫌にならないのか?『Think CIVILITY「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』は、「職場の無礼さ」の研究に20年を捧げた著者クリスティーン・ポラス氏の集大成である。
「日本人にとっては気後れするほど厳しい『個人の力』を試す視点と、驚くほど日本人と親和性のある感覚をあわせ持った1冊だ」。そう語るライターの泉美木蘭氏が本書を解説する。

ありきたりな「マナー論」とは一線を画す

「礼儀正しさ」と聞くと、それって日本人の専門分野ですよと胸を張りたくなる人は多いのではないだろうか。お辞儀をして、整列して並び、腰が低い。「ご査収ください」「拝受いたしました」「お客様がお見えになりました」「担当の者が参ります」など、世界に類を見ないほど敬語の種類も豊富だ。災害発生時も秩序と礼節を保つ日本人の姿は、海外メディアで驚きをもって報じられたこともある。

『Think CIVILITY(シンク・シビリティ)「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』は10万部のベストセラーになっている(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

『Think CIVILITY(シンク・シビリティ)「礼儀正しさ」こそ最強の生存戦略である』を手に取ったとき、最初はそのような「日本人にとっては当たり前」とも言えるマナーや道徳について論じる内容なのだろうと想像していた。ところが、読みはじめて驚いた。

本書は、ありきたりな行儀作法の話をはるかに超えて、科学的に「礼節」と「企業」の関係を分析しており、礼節を保つことがいかに生産性を伸ばし、企業価値を高めるのかという点を具体的なデータによって可視化しながら、極めて合理的に指南してゆく実用書なのだ。

著者のクリスティーン・ポラス氏は、MBAで「職場の無礼さ」を研究してきた女性だ。20年間かけて世界中の職場を調査した見識から、「無礼な人」が、職場の人間や企業そのものにどれほどの損害をもたらしているのかを示していく。

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