カラオケのパセラで「歌わない人が6割」のワケ 業界の「汚い」「まずい」「不親切」を払拭した
ちなみに「ハニトーカフェ」とは、カラオケパセラのシンボルともいえる「ハニートースト」を提供するカフェだ。
ハニトーは1斤丸ごとの食パンをくり抜いて、バターや蜂蜜を塗り、さらにクリーム、アイスクリーム、チョコレートなどを詰め込んだ、カロリーのるつぼのようなスイーツだ。
日頃はダイエットを気にする女性も、パセラに行ったら食べずにはいられない。それほどクセになる味のようで、1つを1人で平らげる人も少なくないという。グループのレストランや施設ならどこでも食べることができ、月間約1万3000個の注文があるそうだ。
その中でも、AKIBAマルチエンターテインメントと大阪天王寺店の2店舗では、ハニトーカフェで焼いたできたてのパンでハニトーが食べられるとあって、ハニトーファンやインバウンドに人気とのこと。
「ママ会」の利用が増えている
カラオケルームは全40室あり、それぞれコンセプトごとに、特別な内装が設えられている。これには大きな理由がある。斎藤氏によると、最近のカラオケ利用の大きな特徴が「歌わない」ことなのだそうだ。
「パセラでは近年、『歌わない』プランを充実させており、全利用のうち、6割が『歌わない』プランでのご利用です」(斎藤氏)
同店では歌わない利用のために、ボードゲームを無料で貸し出している。また、DVDなどの持ち込みもOKだそうだ。そして歌わない利用の増加とともに、利用時間帯も夜間から昼間へと移動してきているようだ。
とくに増えているのがママ会の利用で、月間約6000組が利用しているという。ママ会向けには、子どもが遊んだり昼寝したりできるよう、座敷やフラットシートに仕立てられているママ向けルームのほか、おむつ、お湯、おもちゃや子ども用食器など、かゆいところに手の届くサービスを備えている。
もっともシンプルなワンドリンクプランは1人当たり30分300円だが、そのほか料理や飲み放題付きのコースプランも用意されており、人気なのは平日昼間、5時間3280円のコースだそうだ。
「カラオケをしないで何をしているかというと、おしゃべりです。子育てでは吐き出せないものがたまっていきますよね。ママ同士でグチを言い合いたいのですが、子どもが騒いで人に迷惑をかけるのではということで、集まる場所がなかなかないんです。
その点、周囲を気にしなくていいカラオケルームは最適なわけです。時間が5時間と長いのも、食べさせたり、寝かしたりの世話をしながらなので、どうしても時間がかかるからです」(斎藤氏)
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