大学行かずポップコーン協会作った21歳起業家 カネ稼ぎにない幸せ見つけた僕のサードドア
『サードドア』では、アレックスがメンターと出会って成長していきますが、僕にもメンターと言える方が何人かいます。ギャップイヤーの頃から継続的に話を聞いてくださっている方。たびたび本を薦めてくださり、僕の知的好奇心を刺激してくださる方。そして、僕と同じように自分の生き方を模索しながら話し合える同年代の仲間。
それから、会社として資金調達をしているので、投資家の方々やベンチャーキャピタルの方からも教えをいただいています。株主として出資してもらうということは、同じ船に乗る仲間を増やしていく感覚があります。
学校に通っていた頃の僕は、すでに存在しているコミュニティーに入っていこうとして、もがき苦しむことしかできませんでした。でも、自分で学生団体を立ち上げてからが転機になり、それ以降は自分で作った箱に、仲間が少しずつ加わっていくようになりました。居心地のいい居場所がないなら、自分で作ってしまえばいい。そんなふうに発想を転換できてからは、ずっと生きやすくなりました。
社会とどうコミュニケーションをとるか
とはいえ、僕はまだ成功しているわけではありません。高校時代の1度目の起業で失敗して、2度目の今の会社でも4回ピボットして現在に至ります。失敗してきた理由はシンプルで、社会と上手なコミュニケーションが取れなかったからです。
社会とうまく会話をするためのコツは「自分がワクワクすること」と「周りのみんながワクワクすること」の中庸を見つけることだと思っています。
これから先の人生で、僕が生み出すあらゆるプロダクト・機会・サービスを通して、良質なコミュニケーションを社会と取り、そうすることで世の中のワクワクの総量を増やしていきます。
僕は毎朝、アレクサにある格言を読み上げてもらっています。
「So live as if you were living already for the second time and as if you had acted the first time as wrongly as you are about to act now」
これは、ユダヤ人としてアウシュヴィッツ強制収容所に入れられた体験を書いた名著『夜と霧』の著者で、精神分析学者のヴィクトール・フランクルの言葉です。
要するに、「2度目の人生を送っているかのように今を生きよう」ということです。
この言葉は、弱気な僕の背中をいつも押してくれます。「1度目の人生では諦めていたけども、2度目なら挑戦してみるか」というふうに、挑戦的な決断を鼓舞してくれるんです。きっと、僕の1度目の人生は、周囲の顔色を気にして目立つことを嫌っていただろうし、学生でありながら会社と協会を同時にやるなんて大胆なことはできなかったと思います。
実は、アレックス・バナヤンにちょっと嫉妬する気持ちもあるんです。「サードドア」だなんて、いい言葉を見つけたなあと思うんですね。アレックスのように、自分の内面にあるものをアウトプットして、言語化することはとても大変です。でも、僕ももっと社会とコミュニケーションを取るために、こういった核となるものを見つけたい。その日まで諦めずに、人生の主人公として生きていきたいと思っています。
(構成/泉美木蘭)
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