「モノが少ないと、快適に働ける」 【特別対談】土橋正×本田直之(上)
土橋 なるほど。私は、入口は紙の状態のまま受け入れて、出口のところで出来るだけデジタル化するんだけど、本田は入口から完全にデジタル化するということだね。
名刺管理は、無料アプリ『Eight』を使え!
土橋 名刺の管理はどうしてるの?
本田 名刺管理は『Eight』を使ってます。
土橋 何、エイトって?
本田 あ、知らないんですか。それはマズイなあ(笑)。すごく良くできた名刺管理のアプリなんですよ。今までの名刺管理のソフトって、読み取りの精度がイマイチで、個人的に信頼できなかった。
こういう管理ソフトって、99%合っていても1%間違いがあると、実用性が失われるじゃないですか。それが『Eight』って、ほぼ完璧にデータ処理される。それにはきちんとした理由があって、iPhoneで撮影した名刺のデータを人の手作業で入力している。
土橋 それはスゴイ。
本田 でしょ。ミスがほとんどない。また、単にデータを保存するだけではなく、名刺のデータを自動更新できる「リンク」(名刺交換)機能というのがあるんです。
リンク相手が転職や部署の異動などで、名刺のデータが更新されると、自分が登録した名刺データが自動更新される。
逆に、自分の名刺データを更新すれば、リンクしている相手のデータに反映される。リンクは、Facebookを使ってできたりするんですよ。
土橋 Eightは無料なの?
本田 無料です。
土橋 運営している会社って、どうやって利益を出しているんだろう。
本田 いまは、マーケットシェアをとることを最優先にしているようです。運営しているのは、Sansan株式会社というところで、僕は実際に彼らを取材してます。
土橋 私は、名刺も書類のようにスキャンしてデータを保存しているけど、データをスキャンして保存するという発想は、スキャナーがある事務所をベースに仕事をしているからだね。本田みたいに、世界中を移動していると、つねにその場で処理できる仕事のスタイルが必要になるわけか。
本田 今は、仕事であった人の名刺は、その場で、iPhoneで撮影して、すぐに返すようにしてます。
土橋 それはエコだね(笑)。近い将来「名刺交換」ではなくて、「名刺撮影」なんて言うようになるかもね。
本田 僕の場合は、どこでも仕事ができる体制にしておかないとダメなんです。数年前から、モノを減らすことを実践してきたけど、いろんなものを減らして何が良かったかというと、仕事をする場所に縛られなくなった。どこでも仕事ができるようになったんです。