中部空港に「飛行機遊園地」が生まれた理由

シアトル発店舗が出店、初年度160万人が来場

「今までさまざまな日本の百貨店からのオファーを断ってきたチョコレートの有名店は、シアトル市の後押しを受けて『そんなすばらしい施設ができるんだったら』と特別に出店してくれた」(渡辺氏)

初年度の動員数160万人超には、航空ファンだけでなく、親子連れやカップルも客層に取り込めているという。犬塚社長は2年目の目標値を明言しなかったが、「今の成長線に沿うようにしたい」と述べている。

インバウンド客で旅客数はV字回復

愛知万博が開催された2005年の開港時に1235万人を記録した中部国際空港の年間旅客数は、リーマンショックや東日本大震災の影響で尻すぼみとなった。その後、インバウンド客の増加を追い風に、2011年度の年間889万人から2018年度は1235万人とV字回復を見せている。

中部国際空港の課題は、国内のほかの主要空港との差別化だ。インバウンド客が訪れるのは東京や富士山、大阪・京都を結ぶ通称「ゴールデンルート」で、中部国際空港はその線上に位置する。インバウンド客が主に利用するのは、周辺都市に観光の魅力がある羽田や成田、関空だ。

2018年度の国際線乗降客数は成田が3393万人、関空も2280万人とその背中は遠い。さらに今年10月から成田で滑走路の運用時間が延長され、2020年3月には新飛行ルートの適用による羽田の国際線増便も控える。

一方、リピーターとなったインバウンドの間で中部・北陸の広域観光モデルが盛んになり、海外の航空会社がゴールデンルート外である北陸へ直行便を就航するケースも増えてきた。中部国際空港はフライト・オブ・ドリームズの「離陸」に胸をなで下ろすのではなく、さらなる空港の魅力底上げと中部・北陸地方の玄関口としての独自色が求められる。

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