JAL、「役員報酬もらいすぎ」と株主の不満噴出 控えめ中計に低迷する株価、役員の答えは…
「静粛にお願いします」「お席にお座りください」
6月22日、日本航空(JAL)は東京ディズニーリゾートに隣接する舞浜アンフィシアター(千葉県浦安市)で定時株主総会を開催した。
議長を務めた植木義晴社長は途中、興奮して大声を出す複数の株主に注意を促すなど、議事はやや慌ただしく進行した。来場者数は前年比で17人減の657人、所要時間は前年より5分短い2時間16分だった。
会社が提案していた4つの議案はすべて賛成多数で可決されたが、複数の株主から不満の声が上がったものがある。役員報酬制度の改定だ。JALは今回、業績連動型の制度を導入する案を総会に上程した。
役員報酬の上限枠が拡大へ
社内取締役の報酬はこれまで、固定給である基本報酬と賞与で構成され、合計額の上限が4.5億円だった。
それが今回、基本報酬と、社内の業績目標の達成度合いで金額が変わる業績連動型賞与と、長期的なインセンティブとしての株式報酬が組み合わされた。
社内取締役全員の合計額の上限として、基本報酬と業績連動型賞与では7億円(各3.5億円)、株式報酬では10万株が設定されている。
上限額が増えたことに対し、質問に立った株主からは「多すぎるよ」「1億円くらいで十分」「社員への還元はないのか」「多くの株主は破綻で相当な損害を受けたのに、会社の対応はまだまだ手薄。もう一度考えたらどうか」などといった声が噴出した。報酬に言及したのは12人の質問者のうち、4人に上った。
回答を担当した秘書室長の清水新一郎常務は「利益率などを目標に設定し、その達成を役員により強く動機づけるものにした。業績に責任を持つということ。上限はあくまでも上限で、一律に報酬を上げるということではない。2015年に制定されたコーポレートガバナンスコードに基づき、報酬委員会で2年間議論した結果だ」と説明した。
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