若いのに"老人歩き"する人が全身不調になる訳 立ち方、歩き方はこうやって修正する

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この老人歩きを続けていると、いろいろな弊害が出てきます。

まずは筋力が落ちてしまいます。高齢者の場合は、筋肉が落ちたために前述のような歩き方になりますが、若い人の場合はそうではありませんね。パソコンやスマホを前に、悪い姿勢で長時間体を固定し、筋力を硬直させていることが原因です。

また、私は老人歩きのことを別名「省エネ歩き」とも呼んでいます。使う筋肉が少なく、どんなに歩いてもエネルギーを使わない歩き方のことです。

使う筋肉に偏りがあるのも「省エネ歩き」の特徴です。とくに背中やお尻といった体の後ろ側についている筋肉をちゃんと使わず歩いてしまうので、どんどん弱くなります。使わない筋肉は弱るだけでなく、硬くなっていくので、背中側に痛みが出やすくなります。

かばい合って補い合って“不治の病化”

体も一緒です。肩こり、首こり、腰痛などは背中が硬くなり、錆びついている代表的なトラブルたちです。そして腰回りの硬さは骨盤の動きも悪くさせるので、お腹回りにお肉がつきやすくなります。

また、骨盤と繋がっている股関節の可動域が悪くなり、左右差が出やすくなります。股関節のトラブルは膝のトラブルと直結するので歩くと太ももの付け根だけでなく膝が痛くなったり歩いただけなのにすぐに疲れてしまうようになります。もう負の連鎖でしかありません。

多くの人が痛みをかばい、それを補う方法を勝手に編み出します。かばう歩き方を続けると、体の歪みはどんどんひどくなります。

「かばい合って補い合って」を繰り返す中で、そのしわ寄せがきているところが痛み出します。そして痛みが出たところの治療をしてしまうわけですが、痛みが出ているところに原因があることはほぼなく、“不治の病化”してしまいます。

問題は痛みだけではありません。筋肉がしっかり動くことで血液やリンパが流れやすくなるので、体の機能を正常に動かすためにも筋肉はちゃんと使わなくてはいけません。

また筋肉はエネルギーを生成する工場でもあるので、よりたくさんの筋肉がバランスよく動くことで代謝も上がり太りにくくなります。

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