若いのに"老人歩き"する人が全身不調になる訳 立ち方、歩き方はこうやって修正する

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それでは、正しく歩くための姿勢と歩き方はどうしたらいいでしょうか。

まずは、足裏や足首、そして骨盤がゆがんでいないか先にチェックをしましょう。

▶チェック1

まず、全体重を支えている足がきちんと仕事をしているかどうかを確かめてみましょう。

目をつぶって片足で立ってみてください。最低でも1分体を支えられたら足の裏の準備はできています。左右両方の足でやってみてください。もし苦手なほうがあれば骨盤の歪みが考えられ股関節や膝に負担がかかっている可能性があります。

▶チェック2

左足を真っすぐに前を向けて立ち、そのまん前に右足をくっつけて置いてください(1本の線の上に左右の足をくっつけて立っている状態)。
立てたら左右を見るように目だけでなく頭をキョロキョロと振ってみてください。ブレずに立っていられたら足裏と内腿そしてお尻の筋肉が連携して働いている合図。安定した歩き方には必須の筋肉がちゃんと働いています。

▶チェック3

両足をそろえてしゃがんでください。次にしゃがんだまま1分間前後に体を揺らしてみてください。尻もちをつかずにできれば 歩くときにしっかり働かせたいふくらはぎと足首の連動もできています。

立ち方から見直して、正しく歩こう!

正しく歩くためには正しく立つことが基本になります。重要なポイントは、骨盤の傾きと頭の位置です。

1 まずは壁を背にして立ちます。
2 壁に「かかと・お尻・肩甲骨・後頭部」の4点がつくようにします。
3 肩の位置が前に来ないように小指が壁に当たるくらい腕を後ろに引きます。
4 肩が上に上がらないように肩を下に下げます。

これが壁がなくても楽にできるようになると正しい立ち方はマスターできます。壁と腰の間の隙間は手のひら1枚分の厚みが入るくらいが理想で、それ以上隙間があるときは骨盤が前に倒れていて腰痛になりやすい可能性があります。力ずくで無理やり行うと腰や関節を痛める恐れがあるので要注意です。しなやかに力を入れずできるようになることがポイントです。

立ち方がわかってきたら、今度は歩き方です。

1 幅20センチの平均台の上を歩くイメージで足を運びます。
  (靴1足分の足幅からはみ出ないようにまっすぐ足を出していきます)
2 前に出した足はかかとから着地し片足で全体重を支えます。
3 後ろから前に出す足は親指の付け根で蹴り出すようにします。
4 肩甲骨を動かすように腕は後ろに振りましょう。
5 壁で立ったときのように頭は骨盤の延長線上にあることをイメージして
  頭が前に出ないように気をつけて歩きましょう。

初めから歩数や時間を目標にするのではなく、自宅やオフィスの廊下で短い距離を丁寧にやってください。

「質のいい歩き方をちょこっとずつ」を意識して積み重ね、無意識にできることを目指しましょう。

習慣になれば、歩くだけでバランスのいい筋トレを勝手に行う体が手に入ります。ぜひ楽しみながらやり続けてもらえればと思います。

山﨑 美歩呼 一般社団法人 日本姿勢改善ウォーキング協会

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やまさき みほこ / Mihoko Yamasaki

筋肉と骨格、体の動きなど理学療法の観点からウォーキングを研究。ウォーキングに骨盤と腸の関係を加味した独自のプログラム「骨盤腸整ウォーキング」を開始。ウォーキングレッスンとインストラクター養成を行う。博多阪急、下関大丸、大阪ポーラ他でイベントを開催。レッスンでは年間延べ7000人にレクチャー。FMコミテンにてラジオパーソナリティーを担当(月1~2回)。また、倫理法人会での講話が好評で、毎月全国各地で講話を務めている。

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