第4回 「絆」から考える親切大国・ドイツ

 ベビーカーを押した人がバスに乗るとき、まわりの人がすっと手助けしてくれた。そんな話はドイツを訪ねた日本人から時々きくことがある。
 なんでこんなに親切なの? ドイツの「絆」とでもいうようなものを見てみる。

キンダーゲルトなる児童育英金

「絆」という言葉を食傷気味に感じている人も少なくないと思うが、震災直後の日本では大切なキーワードだった。災害の大打撃を人と人のつながりを強くして乗り切ろうという意味で使われたということだろう。
 人と人のつながりというのは、大切だ。誰も異論はないだろう。ドイツでも人のつながりは重要だ。
ただ「つながり方」という観点からみると、ちょっとちがうように思えるのだ。

言葉尻からいえば「連帯」という言葉がドイツでよく使われる。たとえばドイツには日本のNPOのような組織形態のスポーツクラブが無数にある。
 とあるスポーツクラブの会合でメンバーに課する会費が議題にあがり、その中で家族割引の値上がりも含まれていた。

当然反対する意見が出てきた。
 「連帯でもって、家族の負担を軽くするのが本来ではないか」。

ドイツの税金は高いが、子供がいる人に対しては負担を軽くし、キンダーゲルトなる児童育英金が支給される。
 富の再分配ということであるが、みんなで、つまり連帯で家族を支えていこうという考え方はそもそも共有されている。これが家族割引値上がりに対する反対意見につながっているのだろう。

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