第4回 「絆」から考える親切大国・ドイツ

助け合う羊たち

絆という言葉に戻ると、もともと馬や犬などをつなぎとめる綱をさすが、現在使われている意味では
<断つに忍びない恩愛。離れがたい情実>(広辞苑第3版)
ということになる。
 また「絆し(ほだし)」というと、逃げようにも逃げられない、自由に動けないようなさまをいう。

誤解を恐れずにいえば、絆で結ばれると、義理や人情を理由に永遠に束縛されてしまいそうなニュアンスすら見えてくる。こうなるとしんどい。
 確かに「親子の絆」などというと、美しいニュアンスで使われがちだが、裏を返せば切ってもきれない血のつながりを強調していることも少なくない。

一方、連帯という考え方は実はキリスト教を背景に展開された。神のもとでは皆同じ子羊。だから「羊同士、助けあうように」という理屈だ。
 その羊たちは現世では当然、他人同士。義理・人情で束縛はしないが、困っている人がいれば皆で助けようというふうになるわけだ。
 絆という言葉を赤の他人に皆で必要な手助けする時の結束といった意味にまで展開し、共有できていくと、社会や政治を論じるときの議論に一貫性が出てくるように思う。

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