第3回 ドイツのクリスマス

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クリスマスは何の日?

ドイツにおけるクリスマスは深く、そして忙しいのはお分かりいただけただろう。では一体何の日かと問われたら、それはずばり「家族の日」であり「愛の日」である。
 日本では、バブルの頃からだろうか、「クリスマスは恋人たちの日」というイメージが強い。

おもしろいのは、この原稿を執筆している最中に、筆者のフェイスブックのドイツの「友達」から回ってきた「クリスマスといえば?」という質問状だ。
 フェイスブックでは特定の質問を多数に回し、ちょっとしたアンケート調査のようなことができる。その機能を利用したもので、筆者にまわってきたときはすでに120人あまりが回答。1位に「家族」。以下「キリストの誕生」「プレゼント」といったランキング。「クリスマスは家族のもの」という考えは健在だ。

また筆者は数人に、子供の時のクリスマスについて尋ねたことがある。いずれも「家族で(ジェンカのように)肩を組み、列車のように部屋のなかをまわったのが思い出」という具合に嬉しそうにかつ、懐かしそうに家族と過ごした時間を語ってくれる。

「家族の日」は、クリスマスツリーの下にプレゼントを並べ、家族で食事をとる。そして楽器演奏に歌、といったもので具体化される。
 たとえば、──これは「アメリカ製」ではあるが、ディズニー・アニメ「ミッキーのクリスマスの贈りもの」では、子供向けにつくってあるだけに「クリスマス」の教科書のような内容が展開される。
 おなじみのキャラクターがクリスマスに家族で食事をするのが楽しみだと言い、楽器の得意な家族のピアノ演奏にあわせて皆で歌うといったシーンが盛り込まれている。
 ある種の理想像ともいえるが、こういったイメージはおそらくキリスト教圏で共有されているものだろう。

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