「子どもの問題」は大人が勝手に作り出している 「小1プロブレム」は本当にプロブレムか

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親には「いい親でいなければならない」という強迫観念のようなものがあります。

それゆえに、子どもが転んだときに駆け寄って「大丈夫?」「痛かったね」と声をかけるなど、過剰に反応してしまいがちです。

しかし、そのような行動こそが子どもが過剰に泣いたり、落ち込んだりする反応につながっているように思います。

親の何気ない言葉は、あなたの意思にかかわらず、子どもに大きな影響を与えます。

例えば、お子さんの友達や、周りにいる子に対して「あの子は駄目だなあ」というようなことを言ったことはないでしょうか?

一見、自分の子どもには関係のない言葉のように思えるかもしれませんが、ここから子どもたちは2つのメッセージを受け取ります。

1つは、「あなたは失敗しちゃだめよ」というメッセージ。

そしてもう1つは、「あの子は尊重しなくていい子。排除してもいい」というメッセージです。

前者のメッセージは、子どもに不要なプレッシャーを与えてしまい挑戦できない子にしてしまいますし、後者のメッセージは、いじめの原因になりかねません。

子どもの視野を広げることが大人の役目

どんなに気をつけていても、なかなかうまくはいかないものです。

『麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

しかし親の言葉や思いが、子どもの価値観の形成に大きな影響を与えることは、意識しておくべきでしょう。

子どもたちは、さまざまな悩みを抱えて日々を生きています。

そのときに固定化された価値観から子どもを解き放ち、視野を広げることが大人の役目です。

私は息子たちに求められれば意見をしたこともありますが、最後には必ず「でも、それが正しいかどうかはわからないよ」と締めくくっていました。

どう生きるかは子どもが決めることです。

自分の意見や通った道は必ずしも正しいものではないと、親自身が認識していくことは、子どもが生きていくうえでとても大切なのです。

工藤 勇一 横浜創英中学・高等学校校長

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くどう ゆういち / Yuichi Kudo

横浜創英中学・高等学校校長。1960年山形県生まれ。東京理科大学理学部応用数学科卒。山形県公立中学校教員、東京都公立中学校教員、東京都教育委員会、目黒区教育委員会、新宿区教育委員会教育指導課長などを経て、2014年から千代田区立麹町中学校長として宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止などの教育改革を実行。2020年より現職。教育再生実行会議委員、内閣府 規制改革推進会議専門委員、経済産業省 産業構造審議会臨時委員など、公職を歴任。著書多数。

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