横浜みなとみらい地区には、かつて網の目のように張り巡らされていた貨物線の遺構が数多く残っている。それらを整備して遊歩道となっているのが「汽車道」だ。
近代化産業遺産に認定されている3つの歴史的橋梁をはじめ多くの区間では通路に線路が埋め込まれ、往時をしのばせる。赤レンガ倉庫や山下公園など人気スポットと絡めて散策するコースが人気だ。
国鉄時代の相模線には、寒川駅から相模川近くまで延びる支線が存在した。
1984年の廃止後は、相模線の本線との分岐点付近から終点だった西寒川駅跡までが「一之宮緑道」として整備され、途中の一之宮公園付近と終点西寒川駅跡付近の八角広場には線路が残り、廃線跡であることをアピールしている。鉄道車両の車輪もモニュメントとして置かれ、注目する人も多い。
大々的にはPRされていないけれど、現役時代そのままに敷かれた線路が注目され、知る人ぞ知る散策路として認知されている。
都会の片隅に残る遺構
旧国鉄越中島貨物駅から豊洲方面に延びていた貨物線の遺構。とくに有名なのは、晴海通りの春海橋に並行して残っている「春海鉄道橋」だ。線路も敷かれたままであり、赤錆びが目立つところから「赤橋」とも呼ばれる巨大な鉄道遺構だ。
1989年の廃止以来、30年経つものの撤去もされず残っている。ローゼ橋と呼ばれる美しいアーチ橋で、麗しい姿には見とれてしまう。老朽化が進んでいるものの、遊歩道として再活用する計画もある。
その路線の越中島貨物駅方面は、しばらく線路跡が途絶えているけれど、豊洲北小学校脇の遊歩道に線路がモニュメントのように埋め込まれている。それを北東方面に延ばすと、豊洲運河を渡った鉄橋の遺構として橋脚のみが残っている。街中なので、歩きやすく、ところどころで遺構を見つけながら散歩すると楽しい。
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