「おまけ付きお菓子」の意外にも長く奥深い歴史 蘊蓄100章で綴る菓子メーカーの工夫と奮闘

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81. 1977年、ロッテはチョコをウエハースで包みおまけシールを封入した新製品「ビックリマンチョコ」を発売

1980年代に流行したロッテの「ビックリマンチョコ」。写真は復刻版の「ビックリマン伝説」(写真:時事/ロッテ提供)

82. 1985年に10代目となる「ビックリマン〈悪魔と天使〉シール」シリーズを発売すると、これが大ブームとなる

83. おまけシールは天使・悪魔・お守り・ヘッドとカテゴリー分けされており2カ月ごとにバージョンが変わった

84. 発売翌年から小学生を中心に人気を集めたがヒット要因はシールにストーリー性、ゲーム性があったことだ

大人も夢中になるクオリティーが高いおまけも登場

85. ダジャレに見えるが『創世記』を匂わす密度の高い設定があり、シリーズが進むごとにキャラがパワーアップ

86. その結果、このおまけシールをもとに漫画やアニメが誕生。お菓子のおまけの歴史を変えるヒット商品となる

87. 1978年にカバヤ食品が発売した「ビッグワンガム」はおまけの「簡易プラ組立キット」の精巧さで人気を博す

88. 素材は軟質プラスチックで接着剤を使用しない〈はめ込み式〉になっており児童にも扱いやすかった

89. プラモデルの金型設計は、初期は駄菓子屋玩具を制作する駄玩技師が、のちにプラモ技師が担当した

90. プラモの種類は豊富で軍用・民間用を問わず陸・海・空に関わるものを網羅し、大人のマニアまで魅了した

フルタ製菓の玩具付き菓子「チョコエッグ スーパーマリオ スポーツ」(写真:時事/フルタ製菓提供)

91. 1999年にフルタ製菓が発売した「チョコエッグ」は空洞の卵型チョコレートの中に玩具が入っている構造

92. 玩具の制作にあたっては、海洋堂から提案された「日本の動物模型」を採用し、1999年9月に第1弾が発売された

93. 第1弾の企画・原型を担当したのは海洋堂所属のモデラーでネイチャーフィギュアの第一人者・松村しのぶ

94. これまでのおまけとは段違いの造型クオリティーが話題を呼び、食品玩具ブームの火付け役となった

95. 加えて、商品リストには掲載のない「シークレット」と呼ばれる希少フィギュアも混入

96. このアイデアがコレクター心をくすぐり、チョコエッグは発売から3年間で1億3000万個を売り上げた

97. ノンキャラクターで大成功を収めたチョコエッグだったが、2001年にフルタはディズニーキャラ版権を獲得

98. 方向性の違いから海洋堂は離れ、2002年発売「チョコエッグクラシック」が海洋堂の最終作となった

99. 現在「おまけ付き」の商品は菓子のみならず、飲料や入浴剤、雑誌、アニメDVDなど広範囲に存在する

100. またおまけそのものもムービーカメラやオンラインゲームの暗証番号、化粧道具など多岐にわたっている

(文:寺田 薫/モノ・マガジン2019年12月2日号より転載)

参考文献・HP/「おまけの博物誌」(PHP新書)「おまけとふろく大図鑑」(平凡社)「貧しくても元気だった懐かしの昭和30年代」(扶桑社)、タバコの文化史、江崎グリコ、森永製菓、明治製菓、カバヤ食品、カルビー、ロッテ、フルタ製菓ほか関連HP
モノ・マガジン編集部

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『モノ・マガジン』はワールドフォトプレス社が発行するモノ情報誌。原則、隔週で発行している。公式サイトhttp://www.monomagazine.com/

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