「機動戦士ガンダム」の人気が40年も続く理由 ヒットの仕掛け人が明かす「ガンダムの未来」
2020年の夏、横浜・山下ふ頭に実物大・全長18メートルの「動くガンダム」が出現する――。
『機動戦士ガンダム』がテレビアニメの放送開始から今年で40周年を迎えたことを記念して、シリーズを手がけるバンダイナムコグループがそんなプロジェクトに挑戦している。現在は、ロボティクスなどの専門家と手を組み、実現に向け試行錯誤を続けているところだ。
1979年にオリジナルのテレビアニメとして発表したガンダムシリーズは、今や年間約800億円の売上高を持つ巨大IP(知的財産)に成長した。アニメ作品に加え、「ガンプラ」の名で知られるプラモデルや、ゲーム、関連グッズなど、多様な展開をする同シリーズのファン層は、今やアジアや欧米にも広がりを見せている。
ガンダムシリーズが、ご長寿人気IPになった理由とは何なのか。シリーズを展開するバンダイナムコホールディングス傘下のアニメ制作会社サンライズでアニメのプロデュースなどを手がけ、4月からはスマートフォンアプリや家庭用ゲームなどを展開するバンダイナムコエンターテインメント社長に就任した宮河恭夫氏(63)に聞いた。
動くきっかけになった「知人の声」
――「動くガンダム」の実現が来年に迫っています。そもそも、なぜ動かそうと思ったのですか?
きっかけは、2009年にシリーズ30周年を記念し、東京・お台場で実物大のガンダム立像を展示したこと。短い期間だったが、400万人以上のお客さんが来場したのよ。そのとき、知人にこう言われた。「立っているだけで400万人が来たのだから、動いたら大変なことになりますよ」と。
ちょうど、2020年には東京オリンピックが開催されることが決まっていて、東京は賑やかになる。世界中の人が、ガンダムも目的の1つに東京に来てくれるといいなと思い、動かすことに決めた。
――ガンダムはロボットですが、ロボディクスの技術で動かすのでしょうか。
何の技術とも今はいえないのだけど、ちゃんと動く。来年まで楽しみに待っておいて。動かす方法は、世界中の人からアイデアを募っていて、現在はいろいろな会社や研究者と手を組んで進めている。
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