「機動戦士ガンダム」の人気が40年も続く理由 ヒットの仕掛け人が明かす「ガンダムの未来」
ただ、今僕が言えるのは、この映画の製作会社であるレジェンダリーピクチャーズには強いガンダム愛を持つ人がたくさんいるということ。ガンダム以外にも、ゴジラやポケモンなど日本のコンテンツの実写化を手がけてきた実績もある。彼らと出会えたことが、実写化に踏み切った一番の理由だ。
映画だけでなく、ゲームでも攻めたい。これまでは映像作品を商品化したものとしてゲームがあったが、ゲームがオリジナルになるストーリーがあってもいい。クラウドゲームが普及する今後数年で、ゲームは大きく変わり、映像とゲームの境目は曖昧になる。僕のような映像出身の人間が、4月からゲーム会社(バンダイナムコエンターテインメント)の社長になったのも、意味があるんじゃないかな。
こうした取り組みを通して、ワールドワイドで受け入れられるコンテンツを増やしていきたい。将来的に、ガンダムのIP売上高で日本市場の割合は2割か3割くらいと、今と逆転すれば嬉しいね。
世の中に出すときは絞り込みすぎない
――一方で、ガンダムに次ぐような大型の新規IPはなかなか生まれません。2018~2020年度まで、250億円を投じてIP創出に取り組むとのことですが、進捗はいかがですか?
詳しくは言えないが、対象年齢やジャンルを絞らず、さまざまなプロジェクトを複数走らせている。結局、一番重要なのはいろんな選手が打席に立ち続けること。当たるかどうか検証を重ねて、世の中に出すときに絞り込みすぎてはいけない。もちろん、10本が10本当たるわけではないけれど、当たったら、深掘りをして、海外にもっていって、満足せずにシリーズを作りつづけることが、ヒットするIPを生むうえでは最も重要だ。
そういう意味では、ここ数年でいうと『ゴッドイーター』というゲームは当たったといえるし、『アイドルマスター』も数え切れないくらいのシリーズを展開するまでに広がった。僕がサンライズ時代に携わったものでいえば、『ラブライブ!』シリーズや『タイガー&バニー』も大ヒットだったね。タイガー&バニーは、やっていて本当に面白かったな。ここまで女性ファンがつくとは思わなかった。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら