「おまけ付きお菓子」の意外にも長く奥深い歴史

蘊蓄100章で綴る菓子メーカーの工夫と奮闘

41. これは〈玩具〉として販売することで配給統制による規制をすり抜ける江崎グリコならではの裏技だった

42. 菓子類の販売統制解禁とともに紅梅食品(紅梅製菓)がキャラメルのおまけにしたのが「野球カード」だ

43. この野球カードは水原茂監督が率いた当時の読売巨人軍選手のブロマイドで、監督+9人の選手の10種

44. 川上哲治や千葉茂など人気選手がラインナップされており、カードを集めることで景品交換も可能だった

45. 実は、1947年設立の紅梅食品は日本初のプロ野球テレビ中継(巨人vs阪神戦)のスポンサーとして知られる

46. キャラメルは〈野球は巨人、キャラメルは紅梅〉というキャッチフレーズで販売され大ヒットとなった

47. 次第に〈おまけ付き菓子〉は一般化し、おまけの工夫によって菓子の販売数が左右されるようになっていく

48. 1952年岡山のカバヤ食品が製造・販売し、キャラメルにポイントを付けた「カバヤキャラメル」もその1つ

49. 50ポイントを集めることでハードカバーの児童用文学全集から1冊をプレゼントするというおまけ企画だ

50. 当時高価だった児童文学書をキャラメル購入で容易に入手できることから学校単位の応募もあったという

51. しかし翌1953年に新たに「カバヤマンガブック」をラインナップしたことで好意的だった学校やPTAが反発

52. それまで好調だったカバヤキャラメルだったが、不買運動にまで発展してしまう

テレビの普及でキャラクターをおまけに起用

53. 昭和30年代後半になるとテレビの普及や生活水準の向上とともにおまけの内容にも変化が生じる

54. 1961年、明治製菓は夏でも販売可能な糖衣チョコレートを開発し「マーブルチョコレート」として新発売

手塚治虫原作の『鉄腕アトム』は1963年からテレビアニメ版が放送を開始(写真:共同通信)

55. 一方、森永は同じく糖衣チョコレートとして筒のフタの部分におまけを付けた「パレードチョコ」を発売する

56. 森永の躍進に対し、明治はマーブルチョコのおまけとして1963年から『鉄腕アトム』シールの添付を開始

57. 手塚治虫原作の『鉄腕アトム』は1963年からテレビアニメ版が放送を開始し、明治はそのスポンサーだった

58. 明治の作戦は大成功で、のちに森永は『狼少年ケン』、グリコは『鉄人28号』のおまけ付き商品を販売する

59. 「キャラクターのおまけ付き菓子」の成功はキャラグッズが利益になることを示すビジネスモデルとなった

60. 1971年4月3日、石森章太郎原作・東映製作による特撮テレビドラマ『仮面ライダー』の放送がスタート

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