3、「ベーカリーフェーブ」(千葉県)のクリームパン
「2019年は、訳あってクリームパンを集中的に食べていました、全部で200はくだりません。その私の人生で3本の指に入るのが、フェーブのクリームパン。
オーソドックスなクリームパンなのですが、しっかりと炊き上げられた自家製カスタードは、卵感とミルク感が絶妙なバランスで、焼き立てでもナイフで半分に切れるほどよい固さ。それが薄くて口溶けのいい生地とシンクロして、口の中でとろける瞬間は至福です」
2、「食パン専門店 利(とし)」(栃木県)の食パン
「利は、元幼稚園の先生だった女性店主が営むパン屋さんで、パン屋専業となった今でも土曜のみが営業日という食パン専門店なんです。食パンはちょうどよく発酵して焼き上がると、その印として丸みを帯びた角に“ホワイトライン”という白いラインが出るのですが、利の食パンは、こんなに綺麗なホワイトライン見たことない!っていうぐらい完璧で、感動したんですね。
使う材料も、北海道産の質の高い小麦粉と天然水、甜菜糖、沖縄県産塩、発酵バター、といったこだわりようで、それでもホワイトラインが出ないときは販売しないというほど、店主さんの思いが込められた最高においしい食パンです」
今は作っていない幻の逸品
1、カトウパン(千葉県)のルスティック
「人生の最後に1つだけ選ぶなら、カトウパンのルスティックですね。失礼ながら店名と外観があまりイマドキではないので、名店の多いエリアでもあり、あえてこの店に入らなくてもいいかなとスルーしてしまっていたんです。
初めて店の前を通ってから3年くらい経った頃に1回くらい入ってみるかと扉を開けてビックリ! どのパンも成形がキレイで、丁寧な仕事が一目でわかりました。これほどまでにいい意味で裏切られたことは後にも先にもこれきりです。
中でも、成形しないで焼くフランスパンのリュスティックにあたる“ルスティック”が忘れられません。きらきらと艶めく気泡がクリーム色の生地にぼこぼこと存在する断面、深みのある味わいに心をわしづかみにされました。今は作っていない幻の逸品です」
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