もう1つ、福地さんが都内のおすすめのお店として挙げてくれたお店がある。「ドミニク・サブロン」でシェフを務め、「俺のBakery & Cafe」のプロデュースにも携わってきた榎本哲さん率いる、神楽坂の「パン・デ・フィロゾフ」だ。ここも、住宅街にある小ぢんまりとしたお店だが、開店と同時にお客が並び、売り切れと同時に閉店する人気店だ。
「榎本さんは、ご自身のお店では自分が作りたいパンだけしか作りません。日本で初めて低温長時間発酵のパンを作った志賀勝栄さんの下で培った技術と知識、そして榎本さん自身のセンスが光るパンはどれも絶品です。榎本さんが自然体でパン作りを楽しんでいるからこそ、食べ手も楽しめるのかもしれませんね」
福地さんがこのお店で必ず買うパンは、天然酵母とオーガニックワインで仕込んだ「ル・ヴィニュロン」の「ブラン」と「ルージュ」(共に1/2で1500円)。「ブラン」にはリンゴとレーズンとクルミが、「ルージュ」にはレーズンとドライイチジクとクルミとピーカンナッツが入っている。「そのままでもいけますが、1/4で購入したときはバターを塗って完食してしまいます」という福地さんの、病みつきパンの1つだ。
死ぬ前に食べたい究極のパン ベスト5
全国各地のパンを食べ歩いている福地さんお気に入りのパンは、もちろん、ほかにもたくさんある。そこで今回、ここまで紹介した2つのお店のパンに匹敵する 「死ぬ前に食べたい究極のパン ベスト5」を選んでもらった。
5、「東京フロインドリーブ」(東京都)のアップルパイ
「独特の世界観のある建物、昭和懐かしい雰囲気漂う店内、パンとスイーツを取り巻く空気がより味わいを深める老舗の隠れた逸品です。
一番人気はサクほろ食感のクッキーで、東京土産としてよく紹介されています。その陰に隠れてひそかにファンが多いのが、いぶし銀的な魅力がある手作り感あふれるアップルパイです」
4、ニコラ(茨城県・閉店)のクロワッサン
「ニコラのクロワッサンは、何層もある皮のサックサクの食感が感動もので、“クロワッサンといえばニコラ”と今でも思っているほど、いちばん記憶に残っています。
10年以上前に閉店したのが惜しまれる幻のクロワッサンですね」
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