MBA講師が教える「騙されやすい」数字の罠 「ランキング」「平均値」は信用できないのか?

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「数字」を無条件に信用すると足をすくわれることがあるかもしれません(写真:klss/PIXTA)
ビジネスでは「数字」で判断することがつねに求められます。また、プレゼンしたり誰かを説得するときにも「数字」が決め手になることがよくあります。
しかし、客観的で公正と思われるその「数字」が、実は間違っていたり、あるいは悪意を持って恣意的に操作されたものである場合もあるのです。『ダークサイドオブMBAコンセプト』を上梓した、日本最大級のビジネススクール、グロービス経営大学院で教鞭を執る嶋田毅氏が、数字に潜む落とし穴&罠を解説します。

「数字は嘘をつかない」は本当?

「数字は嘘をつかないが、嘘つきは数字を使う」という言い方があります。数字というものはなまじ具体感があり、何かとの比較も容易ですから、それだけで相手の主張に説得力があるように見えるという厄介な特性があります。

『ダークサイドオブMBAコンセプト』(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

今回は、その中でもとくに多くの人が陥りやすい罠として以下の3つをご紹介します。

・ランキングの罠

・平均の罠

・プライマーの罠

これらは、相手が無意識に使う場合もあれば、悪意を持って使う場合もあります(前者は自分も同じことをしてしまうことがあります)。

それに気がつかないと、多少違和感を抱いたとしても好ましくない意思決定や行動をしてしまうことがあるので要注意です。

●ランキングの罠――その気になればあらゆる操作が可能

ランキングはさまざまな媒体で人気を集めるトピックスです。ただ、それをそのまま鵜呑みにすると痛い目をみかねません。

例えば有名な世界大学ランキングにイギリスの専門誌『The Times Higher Education』によるものがあります。これは、教育力、研究力、研究の影響力、国際性、産業界からの収入の5領域について数字を集め、それを重み付けして出すものです。

これによれば、日本で最高と言われる東京大学で36位、京都大学で65位です。500位以内に入っているのは、旧帝大と呼ばれる大学群と東京工業大学や筑波大学、そして医学部が有名な私立大学(産業医科大学や帝京大学など)です。早慶や一橋大学の名はありません。

次ページなぜ世界大学ランキングに早慶の名がないのか?
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