「とても賑やかだった。久々だし、日本のこの応援は待ち遠しかった」(ウッズ、練習日)
「世界のトップが来るということはこういうことなんだと改めて思いました。世界のゴルフをネットワークでいつも見られるという状態で世界のトッププロを見たいというのは当然だと思います」(石川遼、第1ラウンド)
「今週のエネルギー、もういらないよというぐらいのギャラリー、メジャー並みだと思います」(2019全米オープン覇者ウッドランド、第1ラウンド)
「名前で呼んでくれるのがうれしかった。(いいスコアは)ギャラリーの力じゃないですかね。こんなにギャラリーが入ることはなかなかない」(松山英樹、第1ラウンド)
「アンビリーバブル。タイガーがリードし、ヒデキが追いかけるという、初めての日本開催でこれ以上にない展開。かかわる全員がうれしく思う。素晴らしい大会になっている」(マキロイ、最終ラウンド日没サスペンデッド後)
優勝したウッズの公式会見は、室外機が水没して空調設備が壊れ、試合終了と同時に主照明が停電した薄暗いプレスセンターで、ひな壇だけがスポットライトを浴びた中で行われた。
5度目の左ひざ手術から9週間、術後初の実戦での優勝。「とても長い5日間(大会期間)でした」。こうして、さまざまなことが起こった大会は、世界7カ国目となる日本での優勝で、サム・スニードの持つ不滅の記録と言われた通算82勝目に並んで幕を閉じた。
高い観戦チケットでも「本物」を見たいファンたち
今回、日本ツアーでは見られなかったギャラリーの熱気を生んだのは、「世界のトップを見たい」という欲求だろう。
ゴルフ業界の縮小、ツアー人気の低迷が言われているが、ゴルフを見たい人はこんないたのか、と思えたほど、アメリカのPGAツアーという「本物」が日本にやってくれば、高額な入場料など関係ないことが証明された。ラグビーワールドカップ日本大会でも見られた現象だ。
日本ツアー、ゴルフ界はせっかく噴き出した熱気を先につなげなければならない。レベルアップはすぐには難しいかもしれないが、すぐにでも日本ツアーで実行できることも多い。
まず、ファンサービス。中でも「キッズ向けの専用エリア」は、身長130センチ以下の子供を、大人とは別のエリアで観戦させる。騒がしいかと思いきや、仲良くおとなしくしており、1人が声を出すと一斉に声援を送る。
「写真撮影OKのエリア」も4カ所につくられた。いずれも2打地点が中心で、選手のプレーの妨げにならないエリアに設けられた。日本ゴルフツアー機構(JGTO)でも、今年の日本ツアー選手権17番で初めて「写真撮影OK」を実施したが、他のトーナメントに広げていけるようにしたい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら