ただ、ルール違反をしてしまった人もいたのが残念だった。SNSなどで上がっている写真で、少なくともグリーンやティーグラウンドが写っているものは、写真撮影OKエリアではないところから撮影された可能性がある写真だ。もちろん、ルールにのっとった写真をSNSで発信、拡散してもらうことも必要なのは確かだ。
田中謙治・JGTO広報担当部長は「スーパースターで初めて日本に来た選手が、ファンのために日没になっても携帯のライトで照らしながらサインを続けている。そんな姿を見て、日本選手も感じていると思います」と感銘を受けたという。
今回の熱狂的な応援には「日本では見たことがない」と話し、これからの方策として「本当はトーナメントに来て騒いでほしいんです。『お静かに』ではなく『騒いで』のボードがあっていい。もちろん、プレーするときは静かにしてもらいますが、できればトーナメントに来て、すっきりして帰ってほしいんです」と、PGAツアーの熱気を取り込みたいところだ。
そして、最も日本ツアーとの隔たりを感じたのが「72ホール実施へのこだわり」。中止・無観客・サスペンデッドと、アクシデントがありながらも、日曜日で終わらなかったら、当然のように月曜日に持ち越した。
日本では男女に限らず、スポンサーの意向・テレビ中継・コースの事情などもあって、日曜日までに終わらなければ、短縮して賞金は出す、というのが慣例になってきている(日本オープンなど一部を除く)。選手もそれでよしとしている。
日本初開催の今大会が残してくれたレガシーとは?
一方で、PGAツアーの選手たちには「72ホールを戦って賞金がもらえる」という意識があり、運営側も「72ホールやるのは当然」と考えているように見える。2年前までPGAツアーに出場していた選手会長の石川遼は「アメリカのPGAの選手は、それが習慣化している。72ホールを目指すのは理想なのですが」と話した。
決められた期間に決められた仕事をしなくても、同じ金が入ってくる、というのは、一般では考えにくい。プロゴルフは、賞金の分捕り合戦だ。今回の「ZOZOチャンピオンシップ」の賞金総額は975万ドル(約10億7250万円)で優勝したタイガーは175万ドル(約1億9250万円)を手にした。
いずれにしても、日本で初開催となったアメリカ・PGAツアー「ZOZOチャンピオンシップ」はさまざまなレガシーを残してくれた。
さて、今回最後にウッズが残してくれたのは「また来年会いましょう」という言葉だ。
そして、来年に迫った東京五輪についても「金メダルを目指してプレーしたことがないので、出られたら光栄です」。
今から楽しみな人もいるのではないだろうか。
(文中一部敬称略)
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